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三浦とし子議会報告
平成15年10月16日 土木建築常任委員会
大阪府議会議事録より転載
◆(三浦寿子君) おはようございます。公明党の三浦寿子でございます。
 私からは、三項目にわたり質問をさせていただきます。
 まず、一番目でございますが、建築物の耐震化の推進についてでございます。
 皆様の御記憶にも新しいと思いますが、七月に宮城県北部で、また九月には十勝沖で震度六クラスの地震が連続して発生いたしました。先日、永野委員の御質問の内容にもございましたが、一昨年政府は、東南海・南海地震の今後三十年以内の発生確率が四〇%から五〇%、規模はマグニチュード八・五級と発表いたしまして、ことし四月には広範な被害予測を発表いたしたところでございます。そして、七月には、東南海・南海地震に係わる地震防災対策の推進に関する特別措置法が施行されたところでございます。
 また、これに基づき、九月十七日に、二つの地震が起きた際、震度六以上の揺れや三メートル以上の津波に見舞われる可能性が高く、建物の耐震化や避難経路の再構築が必要な防災対策推進地域の指定案が出され、大阪府下でも三十五の市町村が指定地域になっております。そのためにも、地域防災計画を見直し、さらなる地域内の企業、また病院、学校など、耐震化を講じる必要があると言われております。
 地震は、いつどこで発生するかわかりません。そのためにも、市民の意識も含め、常日ごろ地震に対する備えが必要であるとともに、災害に強い安全なまちづくりを進めていくためには、既存建築物の耐震化を図ることは重要であると考えております。
 そこで、まず、阪神淡路大震災以降既に実施されておるとは思いますが、府有建築物の耐震診断とその結果、また耐震改修の取り組み状況についてお尋ねいたします。


◎公共建築室特別建築課長(寺西興一君) 府有建築物の耐震診断につきましては、現行の耐震基準が施行された昭和五十六年以前に建設されたもののうち、災害時に重要な役割を果たすべき施設として位置づけられた施設を対象に行ってまいりました。これまでに、災害の際、対策本部となる府庁舎別館を初めとする庁舎、現地での対策本部となる警察施設、人命救助のための主要拠点となる病院、応急対策の拠点となる保健所や避難所など三百二十二棟について耐震診断を完了しております。
 その結果、現行の耐震基準を満たしていない建築物が約八割、二百五十六棟となっております。このうち耐震改修が必要な建築物は、老朽化による建てかえ計画や再編整備計画がある施設などを除くと、約百七十棟になります。
 耐震改修工事につきましては、平成十年度から十二年度に府庁舎別館、平成十四年度に西淀川警察署で実施しております。また、平成七年度には、教育委員会で高等学校二棟の改修も行っております。
 本年度は、吹田警察署の改修工事に向け実施設計を行っているところでございます。


◆(三浦寿子君) 耐震診断を行った建築物のうち、災害時に必要な役割を果たすべき施設の中で、改修の必要なものがまだ百七十棟あるということですが、東南海・南海地震の発生が強く懸念されている現在、改修事業の推進が急がれると考えます。厳しい財政状況のもとで事業を進めるためには、改修コストの検討や緊急性の高い建築物を優先するなど、さまざまな工夫が必要と考えますが、その点についてはいかがでしょうか。


◎公共建築室特別建築課長(寺西興一君) 府有建築物、とりわけ災害時に重要な役割を果たすべき施設として位置づけられたものについて耐震化を図ることは、重要な課題であると考えております。
 耐震改修事業の対象となる百七十棟の中でも、現行の耐震基準に近い性能を有するものからそうでないものまでさまざまです。これら施設の診断結果を踏まえ、当面対象とすべき建築物を絞り込むために、災害時における施設の役割や機能に応じた改修の方法やコストなどを多面的に検討し、効果的に事業を進めていく必要があると考えております。
 そのために、府有建築物の耐震化の促進を目的として設置しております府有建築物耐震性能向上事業推進会議を活用し、施設を所管している関係部局とさらに連携を深め、緊急性を見きわめながら具体策を検討し、耐震改修の推進に努めてまいります。


◆(三浦寿子君) お答えの府有建築物耐震性能向上事業推進会議というのは、阪神淡路大震災以降設置された会議であると思いますが、これまでにどれぐらいの開催をされたんでしょうか。


◎公共建築室特別建築課長(寺西興一君) 府有建築物耐震性能向上事業推進会議は、平成八年の八月に設置いたしまして、現在まで二十四回開催しております。


◆(三浦寿子君) 東南海・南海地震の発生が今強く懸念されている中で、この府有建築物耐震性能向上事業推進会議というのが二十四回開催されているということでございますが、この会議が名目上の会議ではなく、府有建築物の耐震化を促進するための実質的な機能を持つ会議となるよう強く要望するとともに、府民の命や財産を守るため、緊急性を要する建築物については、積極的な耐震改修に取り組んでいただくことを強く望む次第でございます。
 次にですが、府有建築物の中でも約十三万戸、三十数万人の方がお住まいの府営住宅の耐震化についてお尋ねしたいと思います。
 府営住宅は、昭和五十六年以前の耐震基準で建てられている住宅が多いことから、府営住宅の耐震診断及び耐震改修はどのように進めておられるか、お伺いしたいと思います。


◎住宅管理課参事(上林歳和君) 府営住宅につきましては、現行の耐震基準に適合しない建物のうち、高層住宅、それと阪神淡路大震災において兵庫県下で被害の大きかった一階部分に壁がほとんどない、いわゆるピロティー形式などの中層住宅、合わせまして三百二十一棟、約一万七千戸につきまして、平成七年度から九年度に耐震診断を実施しております。
 なお、中層住宅の大半を占めております柱、はりがなく、鉄筋コンクリートの壁で構成されておりますいわゆる壁式構造の建物につきましては、建築基準法の改正におきましても基本的に構造の基準が変更されておりませんので、昭和五十六年以前の建物でありましても、現行の耐震基準をほぼ満たしております。
 耐震診断の結果を踏まえまして、特に緊急に耐震補強が必要であると判断いたしましたピロティー部分を対象といたしまして、壁の増設や柱を鉄板などで巻くといった改修工事を百一棟、約六千戸につきまして、全国に先駆け平成七年度から十年度までに実施したところでございます。このことによりまして、阪神淡路大震災で見られたような一階部分の柱が破壊し、そのことによって建物全体が倒壊するということには対処できると考えております。
 なお、ピロティー部分以外の住戸や壁式構造の住宅につきましても、日常的な点検に努めておりますが、今後とも災害の未然防止に向け適切な維持管理に努めてまいります。


◆(三浦寿子君) 引き続いて維持管理に努力していただきたいと思います。
 次に、民間の建築物の耐震化についてお尋ねいたします。
 民間の建築物は、現行の耐震基準を満たさないものが数多くあると想定されております。特に、民間の建築物の中でも、毎日大勢の府民が利用する病院や学校などは、災害発生により一度に多くの人命が危機にさらされていることから、府として民間に働きかけ、積極的に耐震化を進めていくべきだと考えておりますが、その点についてはいかがでしょうか。


◎建築指導室建築企画課長(志摩宣彦君) 民間建築物の耐震化につきましてお答えいたします。
 平成七年に制定されました建築物の耐震改修の促進に関する法律、いわゆる耐震改修促進法では、多数の人が利用する三階以上かつ一千平方メートル以上の建築物で、昭和五十六年以前に建築され、現行の耐震基準に適合しない建築物の所有者は、耐震診断を行い、必要に応じ耐震改修を行うよう努めなければならないとされております。
 このため、府としましては、平成八年度に府及び市町村があわせて補助を行う耐震診断補助制度を創設しますとともに、平成九年度以降、府内の特定行政庁と連携しまして、対象となる建築物約一万三千棟の所有者に対しまして、診断及び改修に係る状況の報告を求めるとともに、耐震改修促進法の趣旨を説明しまして、診断、改修に努めるよう働きかけをしております。
 さらに、平成十年度に、市町村、建築団体及び事業者団体と連携して設立いたしました大阪建築物震災対策推進協議会というものがございますが、この協議会におきまして、建築物所有者の方々に講習会や改修の相談などを実施することにより、耐震性向上につきまして広く普及啓発を図っておるところでございます。
 とりわけ、病院、学校など災害時に拠点となります民間建築物につきましては、所属する関係団体に対し、重点的に一層の協力の要請や政策投資銀行融資のPRを行うとともに、市町村と連携して優先的に耐震診断補助制度を適用するよう努めております。
 今後とも、民間建築物の耐震対策がより一層進められますよう取り組んでまいりたいと存じます。


◆(三浦寿子君) 今後とも、事業者団体への普及、また啓発活動とともに、積極的な協力要請に取り組んでいただきたく思います。
 最後に、民間住宅、特に木造住宅についてお尋ねいたします。
 阪神淡路大震災では、木造住宅で多くの被害が出ました。当時のそういった状況を消防白書でも報告されているところでございます。住宅土地統計調査によれば、府内の木造の戸建て住宅だけでも約九十九万戸あり、このうち昭和五十五年以前に建築され、現行の耐震基準を満たしていない可能性の大きい住宅は約五十八万戸もあります。これらの対策はどうされるのか、お伺いします。
 特に、木造の戸建て住宅に住んでおられる高齢者の方は、災害発生時に避難するのも困難な状況にあります。六十歳以上の方の住む住宅は、府内に約三十七万戸もあるということです。これらの耐震対策に力を入れるべきだと考えますが、この点についてはいかがでしょうか。


◎建築指導室建築企画課長(志摩宣彦君) 木造住宅につきましては、平成八年度以降所有者の方みずからが簡易に診断できるあなたの家は大丈夫というパンフレットをこしらえまして、市町村窓口等で配布いたしますとともに、耐震診断、改修の平日におきます無料相談窓口を財団法人大阪建築防災センターに開設しているところでございます。
 また、平成八年度に設けました耐震診断補助制度の普及啓発を図っております。
 住宅所有者の方が耐震改修を行う際には、住宅金融公庫のリフォーム融資を利用なさることができます。
 さらに、木造戸建て住宅にお住まいの高齢者の方に対します耐震改修の支援策といたしましては、住宅金融公庫の高齢者向けリフォーム融資の制度が設けられております。これは、六十歳以上の方がバリアフリーとあわせて耐震改修工事を行う場合に、百万円以上であれば五百万円を限度として全額融資されまして、月々利息だけの返済でオーケーと、元金は亡くなられたときに返済することができるというものでございます。利用者の負担も少なく、高齢者の方々の住宅の耐震改修に有効であるというふうに考えております。
 今後とも、これら診断、改修に関しますさまざまな制度を活用、あるいは啓発をいたしまして、市町村と連携しながら木造住宅の耐震性がより確保されるよう努めてまいりたいと存じます。


◆(三浦寿子君) ありがとうございました。今後も、そういった啓発普及については、広報を通じて活動をお願いしたいと思います。
 続きまして、地元の課題でございます十三高槻線の整備について質問させていただきます。
 私の地元でございます吹田市域における道路の状況というのは、府道大阪高槻京都線や大阪内環状線など重要な幹線道路で常に慢性的な渋滞が発生しております。また、幹線道路の渋滞に伴い迂回する車両が周辺の生活道路にまで入り込み、登下校時の学童の安全が脅かされるなどの弊害が生じているところでございます。特に寿校区の整備につきましては、今回神崎川架橋工事が完了し供用が開始されて一部市道を迂回路として利用していることから、川岸町等その周辺の町内で車による環境問題が生じているところでございます。
 このような状況は、吹田の経済活動に支障を来すだけではなく、大気汚染など環境の悪化に拍車をかけているのではないかと痛切している次第でございます。吹田市域のこういった道路状況を改善するためにも、都市計画道路十三高槻線の整備は不可欠なものと考えております。一刻も早い整備がされ、渋滞の解消が図られるよう期待しているところでございます。
 現在、寿町と正雀の二カ所で事業が進められておりますが、まずこの進捗状況についてお伺いしたいと思います。


◎交通道路室街路課長(池田俊明君) お答えいたします。
 都市計画道路十三高槻線は、大阪都心部から吹田市域を経まして高槻市域の国道一七一号に至る主要幹線道路でございまして、並行する府道大阪高槻京都線や国道一七一号の渋滞対策として整備中でございます。
 市街地部でございます大阪中央環状線より西側におきましては、これまで順次整備を進めてございまして、全長六・一キロメートルのうち約四・四キロメートルを供用しているところでございます。残る寿町地区、それと正雀地区の二地区、約一・七キロメートルにつきまして、現在事業中でございまして、主として用地買収を推進しているというところでございます。
 寿町地区につきましては、阪急千里線から大阪内環状線までの間約〇・四キロでございまして、用地進捗率は、十月一日現在で六五%となってございます。工事につきましては、阪急千里線との立体交差の工事に支障となります大規模な地下埋設物の移設、この工事を平成十四年度から実施してございまして、これに引き続きまして本体工事に着手していきたいというふうに考えてございます。
 また、正雀地区は、吹田市道の岸部中内本町線から府道の正雀一津屋線までの約一・三キロメートルの区間でございまして、用地買収率は、十月一日現在で四五%の進捗となってございます。


◆(三浦寿子君) 過去に整備されました府道等を見てみましても、必ずしも歩道の幅員が十分でない箇所がございます。街路樹は必要だとは思いますが、街路樹の植栽のやり方がちょっと悪かったりとか、これにより歩行空間が狭くなったりとか、さらに沿道への車両乗り入れのために設けられる歩道部の切り下げなどにより有効な歩道幅がさらに狭められるなどして、人や自転車の通行に非常に支障になっているところなど、特に車いすの利用者など通行が困難な箇所も大変多いところでございます。
 十三高槻線の現在事業中の箇所では、近いうちに工事に着手されることと思いますが、今後整備していくに当たりましては、次の二つの視点が非常に重要ではないかと思います。
 まず一点目は、歩行者や自転車が安全で円滑に移動できるような空間の確保という視点でございます。今後、整備される道路では、車いすの方々やお年寄りなどが不便を感じずに通行ができ、また最近増加している歩行者と自転車による事故を減らすため、ゆとりのある歩行空間がより求められているのではないかと思います。
 二点目の沿道の環境対策でございますが、これはもちろん自動車による騒音振動等に伴う影響も踏まえて、低騒音の舗装や、できれば設置可能な場所での防音壁の整備などの対策もお願いしたいところでございますが、私からは特に道路の緑化による環境への配慮など、沿道の環境対策の視点を特に重点的に取り組んでいただく必要があるのではないかと思います。新しい道路では、通行に支障とならない形で十分な緑化スペースを確保していくことは、魅力的な町並みを形成していく上でも不可欠ではないかと思います。
 このような視点から、十三高槻線におきます歩道の整備は、今後どのように取り組まれようとしているのか、お伺いいたします。


◎交通道路室街路課長(池田俊明君) 現在、事業中の区間におきましては、鉄道交差部を除きまして、基本的に歩道部の全体幅員を五・五メートル以上確保する傾向としてございます。このうち、自転車、歩行者の通行部分といたしましては四メートルを確保し、植樹帯につきましては、基本的に一・五メートルを確保する予定でございます。
 自転車と歩行者の通行部につきましては、歩道と車道の段差が少なく、歩車道境界ブロックで分離されたいわゆるセミフラット歩道によるバリアフリー化を図るとともに、周辺の市街地化の進展に伴いまして、沿道地域からの自転車利用も多くなると予想されることから、地元市や公安委員会と協議いたしまして、自転車と歩行者の通行帯を区分した形での整備を行い、だれもが安心して利用できる歩道空間の創出を目指したいと考えております。
 また、沿道環境対策といたしまして、植樹帯などによる緑空間の確保を図るとともに、電線類の地中化を推進することによりまして、ゆとりと潤いのある都市景観の形成と災害にも強いまちづくりを目指してまいる所存でございます。


◆(三浦寿子君) ただいま御答弁がありましたとおり、現在事業中の区間につきましては、高齢者や障害者を初めだれでもが安心して利用でき、また安全で魅力的なまちづくりを先導するなど、利用者や沿道環境に配慮した整備をぜひ推進していただきたく思います。
 ただ、残念なことに、十三高槻線で過去に一定の整備がなされました阪急京都線西側の末広地区におきましては、一部歩道が未整備になっており、段差や大変歩行しにくいところが数カ所ございます。多くの歩行者、また自転車等の通行に支障を来している状況であります。これらに対しても、この十三高槻線が完成するまでにも、何としても、財政的に非常に厳しい状況ではあると思いますが、歩行者の安全確保の視点から、その対策についてあわせて御検討いただくよう要望しておきたいと思います。
 続きまして、これからの道路整備におきまして、先ほど土木部長の決意もありましたが、地域に愛され親しまれる道路としていくことが今後大切な要点であると考えております。そういった意味から、今後の道路整備に当たりましては、道路が完成したときに、沿道の住民の方々に、道路をみずから守り育てるという気持ちを抱かせるような道路づくりの視点が重要ではないかと思います。
 私の地元でございます吹田市の高浜では、ここは府下で第一号のアドプト・ロード・プログラムとして取り組みがなされたところでございます。現在も沿道の住民の皆様の協力のもと、実行されておるところでございますが、先ほどお話もありましたけれども、その広がりは府下で既に三百一カ所にも及ぶとのことでございます。
 このようなすばらしい取り組みがなされている状況にありますが、今後は取り組みをさらに一歩深める意味で、できましたら工事実施前の段階から住民参加による街路樹の樹種の選定などの検討を行っていただくなど、最近におきましては、環境に強い植物なども多く出ております。そういった点で、皆さん住民の意見を聞いていただき、完成後は、将来にわたり住民に親しんでもらえるような道路としていくことが重要ではないかと思います。今後の道路整備にとって、こういった取り組みがぜひ必要と考えますが、この点についてどうお考えなのか、最後にお伺いいたします。


◎交通道路室街路課長(池田俊明君) 委員御指摘のとおり、今後の道路整備におきましては、地域の方々が愛着を持ち親しまれる道路づくりという観点が非常に大事であろうというふうに認識してございます。
 これまでも、住民の御意見も聞かせていただきながら道路整備に取り組んできたところでございます。今後は、さらに事業の早い段階から住民の意見を聞きながら、植樹帯の構造や樹種等について検討をするなど、住民参加による地域に根差した道路づくりを一層推進してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 本路線につきましても、このような考えのもと、でき上がったものを管理するだけではなく、みずからつくり育てる喜びを感じていただくというような観点からも、幅員に余裕のございます箇所において、住民みずからが草花を育てる場所の提供を検討するなど、末永くその道路に親しんでいただけるような道路整備に努めてまいる所存でございます。


◆(三浦寿子君) よろしくお願い申し上げます。
 最後でございますが、神崎川のネオ・リバープランの推進についてお伺いいたします。
 大阪は、昔から水の都と言われ、天下の台所を支えた中心部の堀や川を中心に大阪の川は、まち、暮らしと自然との関係が深く、人々の生活と川は切っても切れない関係でございました。私の地元吹田市南部を流れる神崎川も、古くから農業用水として利用されたほか、かつては西国と京をつなぐ舟運に重要な水路としても使われ、江口や高浜などの津は河口として発達した歴史を持っております。
 しかしながら、現在の神崎川は、高潮や洪水から住民の生活を守るための防潮護岸などが築かれ、川には近づきにくい状態です。水質は、下水道の整備などにより少しは改善されているようでございますが、自転車道や高浜や榎木などに防災船着き場が整備されつつあるものの、直線的で殺風景な河川敷は、水辺の魅力を失い、人々が潤いや憩いを感じる場にはほど遠い状態でございます。
 そういった状況の中でも、市民の方々が、日常的な楽しみとしてジョギングをしたり釣りをしたり、散策など市民の憩いの場として利用されている姿が時々見受けられます。
 また、高浜橋周辺では出初め式をやられていたり、吹田祭りでは、ドラゴンレースが実施されております。私は、このドラゴンレースなどを見ていたときに、改めて都市における河川が市民にとって貴重な憩いといやしを与えてくれるものだと実感しておりました。
 この神崎川を都市の中の貴重な水辺空間として生かせないかと考えていたところ、この神崎川ネオ・リバープランという冊子を最近目にいたしました。この神崎川ネオ・リバープランとは、どのようなプランなのか、お伺いしたいという点と、また現在までどのような取り組みをなされてきたのか、お伺いいたします。


◎河川室河川環境課長(村上毅君) 神崎川ネオ・リバープランについてお答えいたします。
 神崎川ネオ・リバープランは、学識経験者や国、府及び神崎川沿川四市の関係部局から成る神崎川空間利用構想検討委員会の提言を受け、平成八年二月に策定されたものでございます。
 構想の内容は、神崎川を六つのブロックに分け、例えば吹田市域では、にぎわい活動のゾーンやふれあい歴史ゾーンなどそれぞれの地域の特性を踏まえつつ、神崎川を人と自然にふれあう都市のオアシスをテーマに、神崎川の空間利用に関する整備構想について示したものでございます。構想の具体化に当たりましては、関係行政機関や地域住民等と協議調整が調ったところから順次事業を進めているところでございます。
 これまでの取り組み状況でございますが、まず堤防を拡幅強化し、安らぎの空間を提供する桜づつみ整備事業につきましては、吹田市芳野町の榎木橋から高川合流地点までの右岸八百メートルの区間について整備いたしました。また、神崎川に流入する味生水路の水質改善のために、その合流地点において接触酸化による水質浄化施設を設置しております。
 さらに、大地震の災害時に、河川を活用し物資の荷揚げや救命救急活動を行う防災船着き場につきましては、吹田市高浜地区、榎木地区の二カ所、大阪市西淀川区佃地区の合わせて三カ所の整備が完了しております。また、大阪市西淀川区三国地区の整備もほぼ概成しており、現在中島地区の計画について関係機関と協議をしております。
 これらの防災船着き場につきましては、緊急時の施設としてばかりでなく、ふだんから水辺に親しむ広場として利用できるよう配慮し、イベント等での船の発着も可能なように計画しております。
 高水敷の整備として、自転車道を大阪市東淀川区の江口橋から西淀川区の出来島橋の区間において、大阪府が十二・八キロメートル、それから大阪市、それと豊中市が十二キロメートル、合わせて二十四・八キロメートルを整備いたしました。


◆(三浦寿子君) 今、これまでの取り組みを御説明いただいたところでございますが、現状では、神崎川ネオ・リバープランに描かれている将来的なイメージから見ると、まだまだそのイメージに近づいていないなという感じがします。神崎川の吹田市域の高水敷には、市民公募により水鳥の道と名づけられた遊歩道があります。その名のとおり、そこに行けば、ユリカモメを初め水鳥たちが見受けられるようになりましたが、河川敷周辺の伸びっぱなしの雑草やごみが目立ち、まだまだ多くの人々が魅力を感じ集う場所とはなっていないような状態でございます。
 大阪府では、昨年度からアドプト・リバー・プログラムを本格実施しており、府下の各地で広がりを見せていると伺っております。また、私の地元の吹田市でも、美化活動やにぎわいづくりのような自発的な地域活動が盛んであり、私たちの暮らしているまちを住みよくしたいという機運が高まっております。
 特に江坂周辺におきまして、吹田市の神崎川沿いの企業、二十社から成る神崎川畔企業連絡会と沿川の自治会が、高浜から榎木橋下流、高川合流地点までの約四キロメートルにおいて、アドプト・リバーも視野に入れつつ、市と連携を図りながら、河川の清掃活動の取り組みも進められております。
 また、このような美化活動ばかりではなく、市民が親しめる水辺の環境の整備に向けての地元の企業と自治会等が一緒になりましてアンケートをとるなど、活発な意見の交換もされております。例えば、周辺の企業が取り組めること、また自治会が積極的に整備、取り組めることなど、本当に活発な意見、またアンケートによる答えが出ております。
 そういった状況の中で、このような市民と企業が一体となった水辺周辺のにぎわいづくりにも目を向けた自発的な地域活動というのが活発ではございますが、府、団体、市が協働して今進めていくことが重要だと考えております。
 大阪府としましても、河川を生かしたまちづくりを推進されている中で、今後どのようにこのような事業にかかわっていくことができるのか、今回お尋ねいたします。


◎河川室河川環境課長(村上毅君) 美化活動などにより河川を地域共有の貴重な財産として、地域住民の皆様とともに守り育てていくことは重要な取り組みであり、今後河川施策を進めていく上で、府民協働の視点は不可欠なものと考えております。
 昨年度から本格実施されましたアドプト・リバー・プログラムは、現在府下の二十三河川二十六カ所、作業延長にして二十四キロが実施されておりますが、その活動内容は、清掃活動にとどまらず、多様な地域活動へと自発的な広がりを見せております。
 その事例といたしましては、吹田市の例で、知的障害者の方々による清掃活動や、市から提供を受けた花の栽培など、安威川の河川敷を自立と社会参加の実現の場として活用しておられるアドプト・リバー・南正雀、それから和泉市の例でございますが、町内会、子ども会の方々が、羊による除草や百を超えるこいのぼりの設置、蛍の育成、自然観察会の実施、さらにはアイガモ農法へのチャレンジなど、その取り組みが年々拡大している松尾川のアドプト・リバー・内田、それから堺市の例でございますが、小学生と保護者の方々が、清掃や自然観察を通じて水質にも目を向けまして、植物を使った河川水質浄化に取り組んでおられるアドプト・リバー・神石などがございます。
 委員も御指摘のとおり、神崎川の吹田市域では、沿川企業と沿川の自治会の方々が一体となって、あす十月十七日にクリーンアップ作戦を計画されております。さらに、受け持ち範囲を決めて、清掃に加え花栽培、イベントの実施など、地域の独自性を生かしたアドプト・リバー・プログラムへの発展を目指そうとされております。
 府といたしましては、アドプト・リバー・プログラムにより、自治会、企業、NPO、子どもたちなどさまざまな立場の方々に、自発的に活動を行える場を提供するとともに、活動の継続発展に必要な助成制度や事例紹介などの情報の提供や、それぞれの活動内容の広報などに努めてまいります。
 また、アドプト・リバーに限らず、従来から水質改善や自然の回復などの視点から、川とのかかわりを持ち、自発的に活動されている団体も多くおられますことから、今後幅広く水辺で活動する団体や市町村と情報の共有化を図り、今まで以上に協働連携を深める必要がございます。
 このため、活動団体相互の交流、意見情報交換の場として、ホームページの開設や、昨年度から実施しております私の水辺大発表会など、水辺を活用した地域活動の発表の場を継続し、府下の活動団体のネットワーク化を図るなど、パートナーシップによる川づくりを進めてまいります。


◆(三浦寿子君) ありがとうございます。また、今後地域の方々が、この神崎川のまちを誇りとして、みずから汗をかき美しくしていこうという思いを大切にしていただきたいと思います。
 さて、吹田市のような都市部では、河川は、人々が安らぎ潤いを感じることができる大変貴重なオープンスペースとして考えておりますが、先ほども話をしましたが、吹田市では毎年多くの市民が参加して吹田祭りが開催されております。ことしの七月二十六日には、高浜橋下流の神崎川会場で、子どもから大人までたくさんの市民が、ドラゴンボートレースを初めとしたイベントに参加し、水辺に親しみにぎわっておりました。毎年参加者も多くなり、活気も増しているようでございます。
 神崎川会場での吹田祭りのテーマは、水に親しみ、水を遊び、そこから学ぶというもので、行政、企業、市民が一体となって取り組み、地域の財産である神崎川を実感、また再発見し、新しいまちづくりの契機にしようとするものでございます。
 私は、多くの市民が神崎川に親しみ、にぎわっているその場に立ってみて、この場所が地域の活性化の核となると感じました。そのポテンシャルを生かすためにも、まず神崎川ネオ・リバープランにあるように、人と自然に触れ合う都市のオアシスにふさわしい地域のシンボルとなるような空間づくりを行うことが必要だと考えます。
 また、水辺の魅力の向上を図るための整備等は、将来的に、中之島公園や周辺にありますアメニティー江坂、江坂駅などと周辺公園と、また集客施設との連携により、地域のにぎわいづくりの拠点となり、地域の活性化に寄与するものと考えております。
 吹田市域における地域の住民や沿川の企業が、吹田祭りやアドプト・リバーへの参画を前提にした河川清掃運動に取り組まれるなど、川への関心を高めつつあるこの機運を、神崎川ネオ・リバープランの具体化につなげることが重要だと考えております。その点に関して、大阪府としては今後どのように取り組まれるのか、お伺いいたします。


◎河川室河川環境課長(村上毅君) 委員お示しのとおり、神崎川を地域の財産ととらえ、にぎわいづくりや美化活動などの視点から、水辺の魅力を向上しようとされている地域の方々とともに、神崎川ネオ・リバープランの具体化に向けた取り組みを行うことが重要だと認識しております。
 大阪府では、昨年度から、吹田市域の神崎川沿川二十社の企業、自治会、それから吹田市を含む神崎川畔企業連絡会と、神崎川の現状、課題、そして将来像について意見交換を行う河川懇談会を実施してきております。
 また、七月二十六日に行われました吹田祭りでは、ドラゴンボートレースや釣り大会、屋形船、水辺にかかわるさまざまなイベントが行われる中、大阪府もブースを出展いたしました。そこでは、神崎川の施設や治水の歴史に関するパネル展示やビデオ上映、職員による出前講座、さらには子どもたちが船に乗り神崎川を船から見詰め直してもらう取り組みを行いました。また、神崎川とのかかわりや将来イメージについてのアンケートも行いましたが、多くの市民の方々が貴重な御意見をお寄せいただき、神崎川への関心が高まっていることを実感いたしました。
 今後、吹田市における神崎川ネオ・リバープランの実現に向けて、吹田市との役割分担のもと、神崎川畔企業連絡会や自治会、学校など、地域のあらゆる立場の方々が参画するワークショップの場を設定し、地域の方々とともにアドプト・リバーなどの河川の環境美化活動やイベントの企画運営などのにぎわいづくり、水辺の整備計画などの検討をともに進め、神崎川の水辺環境整備に積極的に取り組んでいきたいと存じます。
 また、このような吹田市域における取り組みをモデルケースといたしまして、積極的に広報し、神崎川全域についても、関係各市とともにパートナーシップによる川づくりの機運を盛り上げ、神崎川ネオ・リバープランの具体化に向け、地域と川の結びつきが深まるように努めてまいります。


◆(三浦寿子君) ありがとうございました。ぜひ、この地域がモデルケースとなるよう推進をお願いしたいと思います。
 以上で私の質問は終わります。ありがとうございました。