トップページ > 議会ほうこく > H16.3.19
三浦とし子議会報告
平成16年3月19日 土木建築常任委員会
大阪府議会議事録より転載
◆(三浦寿子君) 公明党の三浦寿子でございます。
 私からは三点にわたり質問をさせていただきます。
 まず初めに、大阪外環状線鉄道の整備についてお伺いいたします。
 外環鉄道は、大阪東部地域を南北に貫くことにより、放射状に広がる既設路線を相互に連絡し、広域鉄道ネットワークを形成するとともに、大阪都心部を経由せずに国土軸である新大阪にアクセスすることができる重要な路線であると伺っております。
 また、既成市街地の再生や都市機能の充実によって新しいまちづくりが進められているインナーエリアを相互に結びつけることで、各駅周辺を中心とした活気あふれるまちづくりを促進し、沿線地域をより便利に、より豊かにする路線として大いに期待されております。
 そこでまず、大阪外環状線鉄道整備の現在の状況についてお伺いいたします。

◎交通道路室交通対策課長(中西一男君) 大阪外環状線鉄道の現在の整備の状況でございますが、外環鉄道は、東海道線の新大阪駅を起点といたしまして、一部城東貨物線を活用いたしまして、片町線の鴫野、放出を経由して関西線の久宝寺に至ります延長約二十・三キロメートルの路線でございます。途中、既設駅も含めまして十三の駅が設置される計画となっております。
 また、事業着手に際し必要となります工事施行認可につきましては、平成十一年二月に今回の事業で新駅として設置されます仮称の都島駅から久宝寺駅までの延長約十四・九キロメートルの工事施行認可を取得いたしております。その後、平成十四年十二月に残る新大阪駅から都島駅までの間、延長約五・四キローメルの工事施行認可を取得したところでございます。
 そして、この工事施行認可を受けまして、平成十一年六月に効率的な事業推進を図るということから、大阪外環状鉄道株式会社におきまして、片町線の放出駅から関西線の久宝寺駅までの区間、通称南区間と申しておりますが、この南区間、延長約九・二キロメートルの整備に着手をいたしまして、鋭意事業を推進しているところでございます。
 現在の南区間の事業の進捗状況でございますが、放出駅のすぐ南で交差をいたします第二寝屋川には既に新しい橋梁が完成をいたしております。東大阪市の高井田付近、ちょうど阪神高速道路の東大阪線と交差する付近でございますけれども、ここでは既に高架の構造物と新しい高井田駅のホームの一部も完成をいたしております。
 次に、現在工事を進めている箇所でございますけれども、片町線の放出駅の東側で、外環鉄道が片町線から南に向かって分岐をいたします。このために、片町線の今現在使っております大阪駅の路線を高架にする工事が進められております。
 次に、近鉄奈良線と交差する付近、永和駅の付近でございますが、ここでは本線の盛り土の工事が進められております。
 次に、近鉄大阪線と交差いたします部分から南に柏田、加美駅付近にかけましては、高架の構造物を施工いたしますために、埋蔵文化財の発掘調査や現在運行されておりますJR貨物の線路の移設工事に続きまして、高架構造物の基礎工事が進められております。また、加美駅の東側におきまして、外環鉄道が関西線に乗り入れるということになりますので、関西線の線路の移設工事も進められております。
 あわせまして、開業後も外環鉄道を利用いたしましてJR貨物の列車が百済駅まで運行されるということになっておりますので、そのための仮線区間の用地買収に一定めどが立ちましたので、本年四月から工事に着手することといたしております。
 これによりまして、加美駅付近の一部未買収地を除きまして、南区間のほぼ全線で工事に着手するということになります。

◆(三浦寿子君) ただいまの説明では、放出から久宝寺の南区間で工事を精力的に進められているとのことでございますが、先ごろ新聞では、外環鉄道黄信号として、あかずの踏切などが取り上げられ、当初の予定どおり平成十七年度の全線工事完成は困難との報道もあったところです。外環鉄道は、第三セクターである大阪外環状鉄道株式会社が建設主体であり、完成のおくれが事業費の増などにつながっては大変困ります。
 そこで伺いますが、まずは放出から久宝寺の南区間の平成十七年度末工事完成は大丈夫なのでしょうか。そして、今後工事に着手することになる北区間においてはどのような課題があるか、そしてその課題処理を含め、工事着手の見通しについてお伺いいたします。

◎交通道路室交通対策課長(中西一男君) 外環鉄道の南区間の完成時期の問題と北区間の課題等につきまして御説明を申し上げます。
 先ほど御説明いたしましたように、放出駅から久宝寺駅までの南区間につきましては、ほぼ全線で工事に着手することにはなりましたが、これまでの用地買収ですとか、工事施行のためのヤードの確保などに当初想定しておりました以上の日時を要しましたこととあわせまして、一部沿線の住民の方々から新たな環境対策の申し出がございまして、その解決にも日時を要しましたことから、平成十七年度末に工事を完成させることは困難な状況となりました。
 このため、現在外環会社におきまして工事工程の精査を行っておりまして、本年夏ごろには南区間の工事完成時期を確定する見込みでございます。
 次に、現時点で事業未着手となっております新大阪駅から放出駅まで、通称北区間と申しておりますが、この延長約十一・一キロメートルの区間につきましては、事業着手までに解決しなければならない課題がございまして、その一つが、東海道線の東淀川駅の南北に設置されております南宮原踏切と北宮原踏切という二カ所の踏切の安全対策でございます。
 この踏切には、東海道線とJR貨物の線路が合わせて八本も通っておりますことから、踏切の遮断時間も長く、かつ踏切の長さが五十メートルもございます。特に北宮原踏切には、渡り切れなくなった場合のために、踏切の途中にさらに遮断機が設置されているという状況でございます。
 このような状況のままで外環鉄道が整備されますと、さらに複線分約十メートル踏切が長くなりまして、踏切の長さが六十メートルということになります。このため、国土交通省からも、新大阪から都島駅までの工事施行認可に際しまして、事業着手までにこの二カ所の踏切の安全対策を講じることとの条件がついております。
 現在、大阪市、JR西日本及び外環会社の三者で構成されます宮原踏切安全対策調査検討会が設置をされまして、東淀川駅の橋上化など両踏切の安全対策が検討されているところでございます。あわせまして、神崎川の左岸で、外環鉄道が現在の貨物線から分岐をいたしまして新大阪の方に向かいますが、この分岐部での事業用地の確保ですとか、北区間の事業費の精査など、現在外環会社におきまして、事業着手に向けた諸課題の検討が進められております。
 大阪府といたしましても、外環会社を初め大阪市、吹田市、東大阪市、八尾市の沿線市及びJR西日本と緊密な連携を図りまして、採算性を見きわめた上で、事業の進捗を図ってまいります。

◆(三浦寿子君) 新大阪から放出の工事着手に向けては難しい課題があるとの説明でありますが、この大阪外環状線鉄道が全線開通すれば、大阪圏における広域鉄道ネットワークが形成され、国土軸へのアクセス機能も充実強化されます。高いポテンシャルを有する拠点地区を相互に結びつけることにより、各駅周辺や沿線地域においての利便性の向上、また地域の活性化や再生に資することから、一日でも早い全線営業が切望されております。
 事業の推進には多くの課題と困難が伴うものですが、一日も早い全線開業に向け大阪府がリーダーシップを発揮していただき、課題解決に積極的に臨んでいただくよう要望しておきます。
 それでは次に、千里ニュータウンにおける公社賃貸住宅建てかえ事業についてお伺いいたします。
 大阪府の住宅供給公社では、平成十四年度から賃貸住宅の建てかえに本格的に取り組み始めているとのことですが、建てかえ事業は、狭い台所や浴室が改善されるなど居住水準の向上が図れるとともに、エレベーターの設置によるバリアフリー化も可能となり、居住者にとって大変メリットが多く、積極的に取り組んでいただきたいと考えております。
 私の地元吹田市と豊中市にまたがる千里ニュータウンの公社団地では、建てかえについて居住者へ説明がなされ、建てかえ後の家賃や仮移転先などの相談が進められております。
 吹田市の佐竹台では、現在入居者の仮移転のためのリロケーション住宅が建設されており、ことし暮れには完成する予定と聞いております。また、建てかえ説明がなされた団地では、公社事業に同意され、既に仮移転された入居者の方もおられます。
 そこでまず、千里ニュータウンでの公社賃貸住宅の建てかえ事業について、団地ごとの進捗状況と今後の予定についてお伺いいたします。

◎建築都市部副理事兼住宅まちづくり政策課長(吉田敏昭君) お答えいたします。
 住宅供給公社では、平成十三年十一月に建てかえの時期に関する計画を公表しておりまして、千里ニュータウン内では、吹田市域で七団地、豊中市域で四団地、計十一団地が建てかえ対象であります。既に六団地において入居者全員を対象にした建てかえ説明会を実施しております。
 その進捗状況と今後の予定についてでございますが、吹田市域におきましては、平成十四年十一月に建てかえ説明会を開催しました佐竹台地区の千里丘陵団地、千里丘陵B団地では、建てかえに同意する方は、先月末現在で約九六%となっており、来年度の工事着手に向け順調に手続が進められております。また、建てかえ後の千里丘陵B団地に住みかえを予定しております佐竹台C団地につきましては、先月下旬に建てかえ説明会を開催したところでございます。
 豊中市域でございますが、平成十四年九月に建てかえ説明会を開催しました新千里西町B団地は、先月末現在で約九八%の同意を得て、これも来年度の工事着手に向け順調に手続が進められております。また、昨年十月に建てかえ説明会を開催した新千里東町につきましても、約八八%の方々の同意を得ており、これは平成十七年度の工事着手に向け順調に手続が進められております。
 一方、新千里西町B団地と同様、平成十四年九月に建てかえ説明会を開催しました新千里西町A団地では、同意いただいている方が約七七%ということで、公社では鋭意建てかえに理解と協力をいただけるよう、現在も説明に努めているところでございます。

◆(三浦寿子君) 千里ニュータウンでは、既に六団地で建てかえ事業を進めているとのことですが、建てかえ事業を進めていく上で重要な点は、今お住まいの方の建てかえへの理解と協力が必要だと考えます。
 建てかえが進められている吹田市佐竹台の自治会の方からこのような声を聞きました。公社から示されている建てかえ後の家賃に駐車場料金や共益費などを含めると十四万近くになり、これでは学童や幼児を抱える若年のファミリー世帯では将来の生活設計が描けず、住み続けたいが、移転を余儀なくされ、今若いこういったファミリー世帯がほとんど周辺地域に移転し、建てかえ後は高齢者だけの団地になってしまうということでした。
 吹田市が策定した千里ニュータウン再生ビジョンにおいても、千里ニュータウンの再生のためには若い世代の定住がうたわれており、公社団地でも、今お住まいの方が建てかえ後も住み続けられることが何よりも必要だと考えます。
 そこで、こうした若いファミリー世帯への家賃対策はどのようになっているのでしょうか。また、特に建てかえを進めている団地にお住まいの方には高齢者の方が多く、例えば吹田市の佐竹台団地では、入居をされている世帯のうち、世帯主の年齢が六十歳以上の世帯が五六%と世帯の半分を超えており、こうした方々へのきめ細やかな対応も求められます。
 こうした状況も踏まえ、公社ではどのような取り組みがなされているのでしょうか。さらに、公社の賃貸住宅には、少ない年金で生活されている高齢者も含め、所得の低い方などもお住まいで、建てかえを進めるためには、こうした方々への対応も必要となります。
 こうした観点から、昨年の二月の議会で我が党の谷口議員が、所得の低い入居者の方に対して千里ニュータウン周辺での府営住宅への入居を支援する取り組みをお願いいたしましたが、その状況もあわせてお伺いいたします。

◎建築都市部副理事兼住宅まちづくり政策課長(吉田敏昭君) お答えいたします。
 入居者は、個々の家庭によりまして事情が異なってまいりますので、公社では、建てかえの説明会や相談会などを通じて入居者の方の希望を聞きながら、移転先住宅のあっせんでありますとか、種々の家賃減額措置の説明等を行い、安心していただけるようきめ細かな対応に努めているところでございます。
 建てかえ後の住宅の入居者家賃につきましては、市場家賃を基準に設定しておりますが、従前からのお住まいの方には、年齢や収入等に応じた家賃の減額措置を講じております。
 若年のファミリー世帯など六十五歳未満の入居者の方に対します家賃減額措置につきましては、十年間の段階的な減額措置を公社独自に講じております。さらに、そのうち収入が一定の基準の範囲の方につきましては、家賃補助のある特定優良賃貸住宅などの国の制度を併用し、最大十五年間の家賃負担の軽減を図っているところであります。
 委員お示しの家賃、駐車場料金などを加えて月十四万円程度の負担となる住宅は、例えば先月説明会を開催いたしました佐竹台のC団地で見ますと、建てかえ後の住宅の中で、最大規模の専用面積約六十七平方メートルの住宅がそれに相当するのではないかと思われますけれども、現在公社が示している予定家賃は十一万八千三百円であります。
 この住宅に、収入基準で月額二十万円から二十三万八千円までの若年のファミリー世帯の方が、建てかえ後に戻り入居されると想定しますと、特定優良賃貸住宅制度と公社独自の段階的減額措置をあわせて行うことによりまして、入居一年目の入居者負担額は二分の一の五万九千百円で、七年間かけて九万八千円までなった後、八年間は九万八千円に据え置くこととなるよう、十五年間にわたり減額措置に努めておるところでございます。
 なお、入居者に現在示しております家賃は、説明会時点のものでありまして、最終的には入居時に決まるものであります。公社は、その時点で市場家賃を再調査して、適切に決定していくこととしております。
 次に、高齢者に対する家賃減額措置でございます。
 二十年間の家賃減額があります高齢者向け優良賃貸住宅などの国の制度の活用に加えて、段階的な減額措置を公社独自に講じておりまして、所得の低い方へのさらなる減額措置の検討を進めているところでございます。また、公社の既存団地に住みかえを望まれる方には、その希望に応じた適切な住宅のあっせんを行うこととしているところであります。
 さらに、府営住宅へのあっせんにつきましては、府営住宅のあっせん戸数四十戸のうち、空き家発生が少ない千里ニュータウン内は、平成十四年度二戸だったものを、谷口議員からの御指摘も踏まえまして、平成十五年度は、建てかえ入居者の意向にできるだけこたえるため十四戸を確保し、居住の安定が特に必要な方々への配慮に努めているところでございます。

◆(三浦寿子君) 公社賃貸住宅の建てかえ事業を進める上で、千里ニュータウン内で一定の府営住宅を確保していくことは、所得が低く、将来の生活に不安を持つ入居者の理解と協力を得る上で必要であり、引き続き府営住宅の確保に努めていただくよう要望しておきます。
 また、高齢者世帯の中で、単身世帯や同居者がともに高齢者である世帯については、家賃補助のある国の高齢者向け優良賃貸住宅制度により、入居者は低い負担で入居することができると聞いております。しかしながら、例えば高齢者でない子どもと同居している高齢者の方などは、この制度が適用されません。
 公社では、高齢者に対する対策の拡充を検討しているとのことですが、生活者の視点に立てば、同じような高齢者の方に対してできるだけ家賃の面で配慮すべきと考えますが、いかがですか。

◎建築都市部副理事兼住宅まちづくり政策課長(吉田敏昭君) お答えいたします。
 お示しのとおり、高齢者でない子どもと同居されている高齢者の方は、二十年間低い家賃負担で入居できます国の高齢者向け優良賃貸住宅制度の適用を受けることができません。そのため、公社へも個別の相談会などを通じまして、こうした高齢者の方から、十五年間の家賃の減額措置後は本来家賃になることについて不安の声が寄せられております。
 このため、公社では、子どもと同居する所得の低い六十五歳以上の高齢者の方などを対象とした新たな公社独自の減額措置を設け、来月入居を開始する団地から適用することとしております。
 これまで六十五歳以上の高齢者を有する世帯に対する家賃減額措置は、入居者全員の総所得が月額二十万円以下の場合に、入居時に本来家賃の半額からスタートしまして、その後三・三%ずつ上がって、十六年目以降に本来の家賃とするものでありました。
 これに対しまして、新たな措置では、六十五歳以上の高齢者を有する収入基準で、月収十二万三千円以下の特に所得の低い世帯の方々に対しまして、減額措置を充実することとしております。この措置は、本来家賃の半額からスタートしますが、原則として本来家賃の八割に達した時点から一定額に据え置き、全体として二十年間家賃負担の軽減が受けられることとしております。
 例えばでございますが、建てかえ後の家賃が十万円といたしますと、当初は半額の五万円からスタートするというのは同じでございます。従来ですと、十六年目には十万円になってしまう、そのところを新減額措置では、八万円になった年度からこの八万円に据え置きまして、全体として二十年間の減額を行うものでございます。

◆(三浦寿子君) 我が国のニュータウンの先駆けとして大阪府が整備した千里ニュータウンも、まち開きから四十年が経過し、高齢化を初めさまざまな問題が出てきており、その再生の議論も国も巻き込んで進められていると聞いております。
 公社賃貸住宅の建てかえは、千里ニュータウンの再生につながるものと期待しておりますが、それにも増して千里に愛着を持ち、住み続けてこられた若いファミリー世帯から高齢者まで多様な世代が、これからも住み続けていけることがまちの活性化につながっていくと考えます。
 こうしたことから、公社の建てかえに当たっては、生活者の視点に立って、そこにお住まいの方々の理解と協力が得られるよう、それぞれの入居者の年齢や家族構成などに応じて、家賃減額等の措置をきめ細やかく行うとともに、入居者からの意見や相談に対しては誠意ある対応に努めていただくよう要望いたします。
 加えて、公社事業に協力し、仮住まいをしながら新しい住宅での生活を待ち望んでおられる方々も数多くいらっしゃいます。こうした方々が一日でも早く住みなれた千里ニュータウンに戻り生活ができるよう、今後事業の円滑な推進を要望いたします。
 続きまして、この千里ニュータウンの今後の公社住宅の建てかえに伴い、要望をさせていただきます。
 千里ニュータウンを中心とした公営住宅内の広場や児童遊園のあり方でございますが、一般的に住民が望まれる公園のスタイルというものは時代とともに変化するものですから、子どもだけもしくは大人だけに利用者を限定した公園から、老若男女だれもが一緒に過ごせる公園へと変わりつつあります。
 近江八幡市総合福祉センターのひまわり館というところでは、隣接した屋外にシルバーパークが設置されています。このシルバーパークとは、カナダで開発されたシステム公園で、健康維持、老化防止を目的としております。また、高齢者の社交の場の創出も目的としており、病院内でのリハビリ器具とは一線を画する施設で、開放感や太陽の暖かさを感じていただくよう、基本的には屋外での設置を想定しております。高齢者だけではなく、小さな子どもにでもできる簡単な運動ができるようになっております。この近江八幡市の公園でも、高齢者の方が社交の場として、また時には近所のお母さんが子どもと一緒に楽しく利用されているそうです。
 高齢者が気軽に公園に来れば、太陽の暖かさを直接感じながら和気あいあいと体を動かしながら交流を深めることができ、健康維持やリハビリの活用ができる。これがシルバーパークの利点です。中高齢者のシルバーパークと遊具、またミニスポーツフィールド等を併設するこういったコミュニティースペースの設置により、子どもたちを含め、多くの住民の憩いの場にもなります。高齢者にとって身近な場所にシルバーパークのような健康維持にも活用できるスペースがあれば、コミュニティーの活性化にもつながります。
 そこで、今後公営住宅の建てかえに当たっては、ぜひ団地内にある広場などに、このような子どもだけではなく、高齢者も利用できるスペースの設置をしていただくよう要望しておきます。
 では、最後の質問でございます。ご近所の底力向上社会実験についてです。
 少し以前の新聞記事ですが、住民、行政、産業界が一体となった大阪のまちづくりを目指している大阪21世紀協会の企画委員会にまつわる河内厚郎氏の記事がありました。その記事は、若者の企画委員たちに大阪の将来ビジョンをまとめてもらったところ、もっと大阪の歴史や風土を大切にしようという考えが前面に出た内容となったそうです。
 最近の若者は、もう新しさを競うことには飽き飽きしている。それよりも、天満や空堀の古い町家をリニューアルした木造のカフェやレストランに新鮮さを感じている。また、神戸の旧居留地にしても、モダンはあっても決して新しい風景ではないから根強い人気があるのだろう。また、高野山を訪れる欧米人が急増している事実が示すように、外国人観光客が求めるのは当然ながら日本文化の薫りだが、テーマパーク等に飽きた日本の若者も同様だ。時代の流れは、間違いなくオールドタウンの高付加価値化に向かっているというような内容で、河内氏は語っておられました。
 さて、この話の中にあった空堀地区では、建築家の六波羅さんが中心となって地元組織を設立し、長屋を再生して複合ショップとして活用することやまちぐるみで芸術イベントを行うなど、古い町並みの価値をアピールした活動を行っています。
 このことは、府民参加のまちづくりと考えますが、これまで都市建築部がこのような府民参加のまちづくりを支援したものにはどのようなものがあるのでしょうか。

◎建築都市部副理事兼都市整備推進課長(中井二郎君) お答えいたします。
 本年度に試行的に二つの市民参画事業を支援したところでございます。
 まず、地域資源活用型市街地活性化事業といたしまして、歴史的建築物や町並みを活用した地域の活性化に取り組むことを目的として、コミュニティービジネスを行うグループなど四団体の事業に補助をいたしました。
 補助を行った事業は、まず大阪市の空堀地区で、先ほど委員御指摘のありました地元組織からほり倶楽部が行った古き町並みの魅力や空き長屋の活用を地域内外に紹介する事業、次に同じく空堀地区で、事業意欲を持つ個人による商店主の交流・情報発信拠点のにぎわい堂の設置と起業家の交流会、イベントスペース等の貸し出し、三つ目には、河内長野市の地元組織にぎわい河内長野21による駅前商店街の空き店舗を活用する事業、四つに、岸和田市の事業意欲のある個人によります町家光輪庵の設置とその活用事業です。
 次に、木造密集市街地におきます住民のまちづくり向上事業といたしまして、NPOの育成とまちづくり意識向上につながる事業を二法人に委託いたしました。
 まず、東大阪市の若江・岩田・瓜生堂地区を対象に、NPO法人大阪夢・まち案内人が地域の住民と一緒になって、デジタルカメラでまちを撮影しながらのタウンウオッチングと写真コンクール、座談会を行いました。二つ目には、豊中市の庄内地区を対象に、NPO法人シヴィル・プロネット関西が住民と一緒になってまちを歩き、防災安全マップを作成し配布するとともに、あすのまちづくりについてのワークショップを行いました。このワークショップは、かるた会という形で開催されまして、神戸市の長田の被災住民も参加したということでございます。
 これら本年度の六つの活動の支援を通しまして、まちづくりに府民が参画することの重要性を改めて認識したところでございます。

◆(三浦寿子君) ただいまの答弁によりますと、本年度まちづくりへの府民参画の支援について試行的な取り組みが行われたということですが、建築都市部のまちづくり施策は、これまで基本的には再開発事業や区画整理事業などハードづくりを中心に取り組まれております。
 しかし、府民の視点でまちづくりを見ますと、自分のまちがよいと愛着を感じるのは、新しい道路や建物などハードの整備だけをもって感じるのではなく、自分が地域づくり、まち育てにどのようにかかわっているかが重要であると私は思います。
 このように考えますと、建築都市部においても、地域住民の活動などソフトの取り組みへの支援をまちづくり施策の中に取り入れることが必要と考えますが、いかがですか。

◎建築都市部副理事兼都市整備推進課長(中井二郎君) 御指摘がありました地域活動などのソフト事業に行政が支援していくことにつきましては、府民が主体的にまちづくりを行う上で重要であると認識しております。
 すなわち、これらの身近な地域のまちづくりは、地域への愛着が強いこと、及び地域での良好なコミュニティー活動を通して自発的かつ持続的に地域づくり、まち育てを行うところから、さまざまな形で発生するものと考えております。そして、この地域づくり、まち育てなどの住民のソフト事業の取り組みがきっかけとなって、いずれはハード事業につながっていくものと考えております。
 先ほど申し上げたように、このためには地域活動において情報伝達や住民の親睦活動などにとどまらずに、自分のまちの成り立ちや歴史ある建物の経緯などを知ることで、みずからの地域に興味を持ち、関心を高める活動、さらにはまちの美化運動や防犯活動など、地域の課題を解決するための具体的な活動に支援していくことが重要であると考えております。
 こうして次第にまちへの愛着や住民同士の連帯感が高まり、地域活動への参加が楽しいと感じることで、地域づくり、まち育てを持続的に行うことが可能になると考えております。

◆(三浦寿子君) ただいまの答弁にありました良好なコミュニティーが形成され、地域づくり、まち育てが行われることは、冒頭で述べました形だけの新しさを競うものではないことの一つではないかと考えます。
 また、まちの美化運動や防犯活動など良好なコミュニティー活動への参加は、だれかの押しつけではなく、自分の意思で行うことです。このことで、府民自身の満足感が得られるなら、どのまちでも府民参画のまちづくりができると考えます。
 さて、良好なコミュニティーの形成とその活動を促進する施策を考える上で、府民がまちづくりに対して受け身ではなく、みずから行動する姿勢へと転換する意識の向上が必要と考えます。
 今回、建築都市部において、この良好なコミュニティーの形成に着目したご近所の底力向上社会実験という予算が再生予算枠として計上されておりますが、これはどのようなものか、お伺いいたします。

◎建築都市部副理事兼都市整備推進課長(中井二郎君) まず、事業名のご近所の底力向上という言葉でございますけれども、これは知事も、私も見ていましたという本会議で発言のありましたNHKのテレビ番組「難問解決 ご近所の底力」に由来するものであります。当番組の企画趣旨になぞらえて、良好なコミュニティーが形成され、さらに行動して課題を解決する力を向上することが地域づくり、まち育てにつながるという意味で用いております。
 今回の事業は、意欲のある地域組織に対して支援を行い、まちづくりとの結びつきについて検証するものでございます。すなわち、違法な立て看板、ビラの撤去や花いっぱい活動などの地域の美化運動、震災時を想定した消火・救出訓練及び避難訓練、防犯パトロールなど、地元組織の活動を活性化することで、地域への愛着と住民の連帯感が高まり、地域環境の改善や地域の安全性の向上につながると考えております。そして、最終的には自分の住宅や地域の防犯、防災面での危険度を認識することやみずからの家屋の壁面の色、形態などへの関心を持つに至ることは、まちづくりの入り口であると。これらすべてが御近所の底力向上の成果と考えております。
 さらに、この地域活動が自立し持続継続することで、地域の住民が中心となって推進するまちづくり事業や地域の住民で建物の景観ルールを制定することなどの府民が発意するまちづくりへつながっていくものと考えております。
 なお、実施方法といたしましては、来年度事業趣旨に合致する地元組織の活動について、市町村から推薦を募り、モデル地区として三カ所程度選定する予定でございます。その際には、地元市町村の全面的な協力はもとより、地元組織の活動をサポートするNPOなども含めた幅広い形で協働していく体制を整えることとし、このNPO等に対して事業委託をいたします。
 地域に身近なまちづくりを行う自治体は本来市町村でありますけれども、地域活動を地域づくり、まち育てにつなげる取り組みは今始まったばかりであること、また府民全般に対して良好なコミュニティー活動を行う機運の醸成が求められることから、今回社会実験として取り組むことといたしました。

◆(三浦寿子君) 今回の事業は、まちづくりの方法として事例の少ないことや、また府民全般への機運の醸成が求められることから、社会実験として実施するということでありますが、この結果を踏まえて今後のまちづくり施策にどのように生かしていくのか、お伺いいたします。

◎建築都市部副理事兼都市整備推進課長(中井二郎君) まず、新しいまちづくりとは、良好なコミュニティーを通じて府民がみずから地域のことを考え、行動することが、先ほどから申しております地域づくり、まち育てへつながり、現実の市街地の整備、保全として具体的に形にあらわれることと考えております。
 ここで、具体的な形にあらわれる際には、委員が御質問の冒頭に示されましたように、日本の文化の薫りや地域の歴史、風土を大切にする考えを加味していくことが求められております。そのため、今回実施する社会実験については、具体的な三カ所の地域の成果を積極的に府民にPRすることはもちろんのこと、新しいまちづくりの進め方そのものについても、幅広く賛同を得るようあらゆる機会を通じて積極的にPRすることとし、大阪のまちづくりを転換する契機になればと考えております。
 今後は、今回の実験の成果が生かされるよう、府民のまちづくりの機運醸成とあわせて、新しいまちづくりの進め方が本格化するよう府内市町村に働きかけてまいります。また、まちづくり部局のノウハウとして蓄積され、まちづくりの事例、情報を集約、発信するネットワークの形成に向けて、庁内関係部局を初め府内市町村と連携した取り組みを検討してまいります。

◆(三浦寿子君) 地域の中で、良好なコミュニティーが形成されるということは、府民の立場から見ますと、日々の暮らしの中で、住民同士の顔が見える地域になることだと私は思っております。住民同士がお互いに声をかけ合う地域は、空き巣などの犯罪も少ないと言われますし、お互いを助け合う機運を有する地域では、福祉や教育などの面で幅広い住民相互のサポートも可能です。
 こうしたことから、今回建築都市部が提唱しました地域での良好なコミュニティーの形成を重視するということは、道路、公園の整備や建物の建てかえという都市整備にとどまるものではなく、防犯や福祉、教育など他の分野の事項の課題にも対処をすることができるようになり、真のまちづくりとしてよい地域をつくるためにとても重要なことではないかと思います。
 太田知事は、昨年十一月の女性知事会議の中で発表した、四人の女性知事が四輪駆動で牽引する五つの改革の一つにまちづくり改革をうたい、整備率の優先から利用満足度の向上へとして、生活の中でだれもが使いやすく、よくなったと感じられるよう、どうつくるか、どう使うかを重視し、多様な主体の参画を得て、生活密着型、自然環境の再生型事業を推進するとしています。
 建築都市部が行う今回のご近所の底力向上社会実験事業が、どうつくるか、どう使うかを重視して、生活の中でだれもが使いやすく、よくなったと感じられる真のまちづくりへの転換点となることを大いに期待しております。
 最後に、この事業が単発の事業にとどまることのないよう、大阪府はこれを契機として、府民の機運の醸成やまちづくりのネットワークなどの仕組みについて、しっかりと取り組むことを強く要望いたしておきます。
 これで、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。