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三浦とし子議会報告
平成21年3月13日 健康福祉常任委員会
大阪府議会議事録より転載
◆(三浦寿子君) おはようございます。公明党の三浦寿子でございます。
 私の方からは三点にわたって質問をさせていただきます。
 まず初めに、看護師の確保対策についてでございます。先ほど西副委員長のほうからもありましたので、ちょっと重複する部分があるかわかりませんが、よろしくお願いします。
 今、医師不足が特に大きな課題として言われております。医療基盤を整備し、安心安全な医療を提供していくためには、また看護師の確保が大きな課題と考えております。この件につきましては、私も平成十八年の十二月府議会の本会議で質問を行いまして、大阪府としても、病院内保育所への運営費助成や働きやすい職場環境整備、また実習指導者講習会など、各種研修による看護師教育に努めるなど看護師確保に向けて取り組まれてこられたということは一定理解をしております。しかしながら、まだまだ看護師不足というのは深刻な課題ということで伺っているところでございますが、前回の答弁で、離職した看護師をできるだけ早期に再就業に結びつける仕組みづくりとしてナースバンク事業の推進にまさに取り組んでいくということでございましたが、その後の効果はどうかという点でお伺いしたいと思います。


◎副理事兼医療対策課長(伊藤裕康君) ナースバンク事業につきましては、看護師の資格を持ちながら結婚や育児などの理由により就業していない潜在看護師と病院等の求人側とのマッチングを図りまして、早期就業につなげる目的で実施をしているものでございます。医療現場や求職者の実情をこれまで以上に的確に把握しまして、就業支援策に生かし、潜在看護師の早期再就業対策の強化を図りますため、平成十九年度から新たに大阪府私立病院協会にもナースバンク運営委員会に加わっていただきまして、よりきめ細かく実情を把握し、事業効果が上がるよう組織を強化したところでございます。
 また、スキル面等で不安をお持ちの方に、看護動向に関する講義や現場実習を行います看護力再開発講習会の開催回数をふやすなど、ナースバンク事業の充実にも努めました結果、平成十八年度四千百六十二名であった登録者数が十九年度には四千六百六十五名にふえ、そのうち千三百名を超える方が毎年再就業されるなど、一定の効果が上がっているものと考えております。

◆(三浦寿子君) 今お伺いいたしまして、ちょっと効果があったということで、ありがたいことだなというふうに思っております。今お答えがあったように、取り組まれていても本当に効果というのは目に見えて上がるものではないんですが、着々とそういう事業をしていただくことによって、わずかではあるけれども上がっている実態があって大変ありがたいと思っております。
 潜在看護師の再就業というのは、一定の期間子育て等を終えて、医療現場にまた戻りたいという思いもあるんですが、ブランクがあるため、ちょっとその期間があると医療現場の実情がかなり変わっているという昨今ですから、どうしてもスキル面も含め、そういった不安があり、医療現場への復帰をちゅうちょされている方というのは大変多いのではないかと思います。そういった点で、先ほど講習会等も実施されているとのことですけれども、さらにそういう方たちが大変たくさんいらっしゃると、できるだけ再復帰に向けた研修とか情報というのを提供できる支援体制、こういったものの構築が必要ではないかと思うんですが、府としてこのような対策についてはどうお考えでしょうか。


◎副理事兼医療対策課長(伊藤裕康君) 潜在看護師の復職を支援する新たな対策といたしまして、本年四月から、全都道府県では初めての取り組みといたしましてeラーニングシステムを活用した潜在看護職員復帰支援事業を開始する予定でございます。
 本事業は、就業を目指す看護師がインターネットを利用いたしまして、自分の都合のいい時間や場所で自分のペースで、今回新たに作成をいたしましたビデオコンテンツを含む九項目にわたるさまざまな教材を通じて自己学習を行いまして、ある程度自信がついた時点で、みずから選択をいたしました病院での実習を経て再就業につなげていこうとするものでございます。
 このeラーニングシステムを活用した事業で潜在看護師に再就業へのきっかけをつくり、既存のナースバンクと連携を図ることにより、さらなる就業支援効果が上がるものと考えております。


◆(三浦寿子君) 今回そういったeラーニングを使った、インターネットを利用した事業を開始するということですが、場所や時間を選ばないインターネットの利点を生かし、これまでの潜在看護師対策への新たな支援策として大いに期待したいと思います。
 このシステムの利用者というのは、求職者側ではなく、実習受け入れ病院等の求人側も利用できるシステムになっているということで伺っているんですが、両者に対して働きかけることが必要ではないかと思います。というのは、就業率が上がらない要因というのは、勤務形態、そして勤務時間、夜勤体制、通勤時間、給与等における求人施設側の条件と求職者が望む条件が一致しないミスマッチによることが多いというふうに分析されております。これまで看護職というのは、夜間勤務ができて超過勤務ができる人ということが求人として求められていまして、日勤のみや短時間勤務を希望する方の就職というのは限定されてきました。しかし、雇用形態、所定労働時間、勤務体制、交代勤務などの従来のあり方を見直し、働き方にも今多様性が求められるようになっております。こういった多様性というものを実現できれば看護職においてもさまざまなライフステージでの就業が可能になり、看護職としてのキャリアが継続されることになるのではないかと、こう思う次第です。
 こういった中で、医療現場においても働き続けられる職場づくり、こういったものを求める声を背景に、短時間労働等の多様な勤務形態の導入を行いたい、しかし実際にどうすればよいのか悩んでおられるという病院もたくさんあると聞いております。そういった意味で、求職者側、求人側の両者が利用できるこのシステムで、それぞれの医療機関での取り組み事例をここで紹介することによって働き続けられる職場づくりに役立つ情報発信というのができることになると思うんですね。それをできれば、看護師の確保にもつながるのではないかと思います。本年四月から府で実施予定の潜在看護職員復帰支援事業でこのような機能を持たせてはどうかと思うのですが、どうでしょうか。


◎副理事兼医療対策課長(伊藤裕康君) 潜在看護職員復帰支援事業の構築に当たりましては、学識経験者や関係団体など外部の専門家も含めました検討会を開催いたしまして、さまざまな観点から御議論をいただいてまいりました。
 検討会では、スキル面での支援というのはもちろん必要でありますが、求職者のライフスタイルも多様化してきており、従来のフルタイムでの勤務を望まない方など、さまざまなケースに役立つ情報発信機能をあわせて持つべきであるとの御意見もいただいたところでございます。委員御指摘の短時間労働等の多様な勤務形態の導入につきましては、看護師の確保・定着対策に役立っているとの評価も伺っておりまして、今後とも関係団体等の御協力を得ながら、多様な勤務形態の導入例等に関する情報発信機能もこの本事業に加えるなど、よりよいシステムの構築に努めていきたいと考えております。


◆(三浦寿子君) ぜひ積極的にお願いしたいと思います。
 この件で最後にまた別の視点から質問をさせていただきます。
 看護師の資質の向上というのは、医療現場において、また患者側にとっても安心安全な医療・看護サービスを提供するという観点から重要ではないかと思います。また、医療の高度化、専門化が進む中にあって、高度な専門性を持った看護師の育成を図る必要があるとも思っております。
 スキルの高い看護師を育成し、医療現場で指導的な役割を担ってもらい、チーム医療を推進していく上においても、看護師がより専門性を発揮することが重要ではないでしょうか。聞くところによりますと、先ほどもありましたように、専門看護師さん、そしてさらには認定看護師といった特別な資格を持った看護師がいるということですが、このような看護師は今大阪府に何名いらっしゃるのか。また、府において実施している高度な専門性を持った看護師の育成対策についてお聞かせいただけますでしょうか。


◎副理事兼医療対策課長(伊藤裕康君) 専門看護師及び認定看護師につきましては、高度化、専門分化の進む医療現場における看護ケアの広がりと看護の質の向上というのを目的に日本看護協会の資格認定制度として創設をされました。
 専門看護師につきましては、複雑で解決困難な看護問題を持つ個人、家族及び集団に対して水準の高い看護ケアを効率よく提供するため、特定の分野の知識及び技術を深め、保健医療福祉の発展に貢献し、あわせて看護学の向上を図る目的で創設されたものでございます。老人看護を初め十の分野に分かれ、全国で三十四の大学の大学院において所定の単位取得や実務研修を行いまして、試験に合格した後、認定されるものでございます。現在、全国で専門看護師は三百二名、このうち府内では三十四名の方が登録をされております。
 もう一方の認定看護師につきましては、特定の分野において熟練した看護技術と知識を用いて水準の高い看護実践ができ、看護現場における看護ケアの広がりと質の向上を図る目的で創設されたものでございます。救急看護を初め十九の分野に分かれ、実務研修五年以上を経た上で全国で四十二の機関におきまして教育課程を修了し、試験に合格した後、認定をされるものでございます。現在、認定看護師は全国で四千四百三十八名、うち府内では三百三十六名の方が登録をされておられます。
 本府におけます高度な専門性を持った看護師の育成対策といたしましては、平成十八年度から大阪府看護協会に委託をいたしまして救急看護認定看護師講習を、また十九年度からは大阪府立成人病センターに委託をいたしましてがん専門分野における質の高い看護師育成研修を実施しており、今後とも高度な専門性を持った看護師の育成強化に努めてまいりたいと考えております。


◆(三浦寿子君) 府としても高度な専門性を持った看護師さんの育成を図っているということでお伺いしましたが、専門的でスキルの高い看護師の育成なども含め、必要な数の看護師を確保するためには、さまざまな視点で対策を行うことが重要ではないでしょうか。また、この四月から新たにeラーニングシステムを活用した潜在看護職員復帰支援事業、これを本当に始めていただくことですが、この効果もぜひ期待したいと思います。今後とも、既存の事業も含め、引き続き看護師確保対策の強化に努めていただくようお願いいたします。
 続きまして、女性の健康づくりということで質問をさせていただきます。
 女性が生涯を通じて健康で明るく充実した日々を自立して過ごすことを総合的に支援するため、昨年、女性の健康週間というのが創設されまして、毎年三月一日から八日の期間、女性の健康づくりを国民運動として展開されているということでございます。女性が健康で安心して生活ができる基盤があること、そしてあらゆる分野で持てる力を発揮できる社会をつくっていくことというのは、女性だけではなく男性にとっても大変重要ではないかと思っております。
 私ども公明党は、昨年、そうした社会を目指して女性の意思を総合的に支援する政策、女性サポートプランを策定いたしました。これは、女性を取り巻く社会環境、またライフスタイルは大きく変化しており、女性の抱える不安を解消することは日本の活性化にもつながるのではないかといった考えのもと、つくられたものでございます。これは、これから言う女性の健康だけではなくて、就労、子育て、すべてのトータルな意味でこの女性のサポートプランというのを策定いたしました。
 そこで、本委員会において、特に女性の健康支援という点についてお伺いしたいと思います。
 女性は一生の中で、思春期、成熟期、更年期、老年期とホルモンの大きな変化があり、男性と異なった心身の変化があります。女性のライフスタイルというのは、子どもを産み育てるだけではなく、多様化し、あらゆる分野への社会進出、長寿化などにより、昔よりもストレスやうつ、子宮内膜症や乳がん、メタボリックシンドロームの増加や病気の症状もかなり複雑化し、変化してきています。
 こういった点で、これまで大阪府においても全国よりも早く女性専門外来というのを設置していただきまして、今、多くの女性が活用していると聞いております。ここでは、じっくり女性の話を聞き、心身の症状を細かく対応していただきまして、もちろん、これは女性のお医者さんが担当で聞いていただくわけですが、普通の医療機関に行っても、自分の体の悩み、そういうものを詳しく打ち明けることがなかなかできなったんですが、この専門外来を通じて症状を訴えることができるということで、その一つの女性の健康づくり、健康支援ということでは、大きく開いたものではないかと思います。
 こういった点で、一人一人の患者のライフスタイルを考慮し、生活の問題、また心の問題、こういったものをトータルに考えていく、そういった中で病気の予防、早期発見、食生活、運動、メンタルヘルスなど幅広いこういったヘルスケアというのが求められていると思います。
 そういった点から、大阪府としての女性の健康づくりについての認識とこれまでの取り組みについてお伺いしたいと思います。


◎副理事兼健康づくり課長(松下彰宏君) 大阪府では、平成十三年八月に策定をいたしました健康おおさか21の理念、基本方針、目標項目を継承しつつ、中間評価を踏まえまして、男女を問わず健康づくりの府民運動をより一層推進するために大阪府健康増進計画を策定し、この計画に基づいて健康づくりに取り組んでいるところでございます。
 また、女性には更年期症状、骨粗鬆症といった男性より顕著に見られる女性特有の健康課題があり、それに応じた、またエビデンスに基づくきめ細かい健康づくり、健康管理が必要と認識しております。このため、大阪府では、女性のライフステージに応じた健康課題と日常生活における注意点などをわかりやすく説明いたしました「女性と健康小読本」を作成しまして、市町村や府保健所において配布、活用を行っておるところでございます。
 さらに、広く府民を対象に毎年開催をしております健康おおさか21推進フォーラムにおきましても、女性の健康づくりに対する関心を高めるため、女性の健康をテーマにした講演会、シンポジウムを開催しました。
 加えまして、大阪府健康増進計画では、女性の喫煙率を現状の一三・六%から平成二十四年度には五%以下とすることを目標として、府保健所と学校が連携して未成年者への喫煙防止教育や市町村における妊婦教室、乳幼児健診での禁煙支援などを推進しているところでございます。


◆(三浦寿子君) 大阪府健康増進計画を推進するに当たっては、女性の健康づくりの実効性を高めるため、府として女性の健康にかかわる実態調査を行った上で性差を考慮したさまざまな取り組みを今後も図っていくことは重要ではないかと思うんですが、その点についてお伺いします。


◎副理事兼健康づくり課長(松下彰宏君) 昨年八月に策定をいたしました大阪府健康増進計画では、これは平成二十年度から二十四年度までの五年計画でございまして、計画の中間年となります平成二十二年におきまして進捗状況についての評価を行うこととしております。このため、今後も、大阪府健康増進計画の現状把握、目標設定、進捗管理におきまして、国の国民健康栄養調査の調査結果を活用しつつ、必要に応じて府独自の実態調査や意識調査もあわせて実施をいたしまして、府域の実情に応じた計画の策定、推進を行うこととしております。
 また、中間評価の内容や手法につきましては、学識経験者、保健医療関係機関等で構成をいたします会議を設置いたしまして検討することとしておりますので、可能なものにつきましては、男女別の実態調査を行い、その結果を踏まえまして性差を考慮したより効果の上がる施策を計画後期に取り組んでまいりたいと考えております。


◆(三浦寿子君) 国においては、新健康フロンティア戦略というので女性の健康力を高めることが必要と位置づけ、女性の健康づくり推進懇話会を設置し、女性の各世代に応じた症状、病気、知識の普及の課題等を挙げまして、全国調査も実施するなど、生涯を通じた女性の健康管理について検討を進めていると伺っております。そういった中、この懇話会における検討も踏まえつつ、国においては、都道府県、保健所設置市を対象とした女性の健康支援対策事業を平成二十一年度に実施すると聞いております。
 大阪府においても、これまでの取り組みを踏まえ、地域における女性の健康課題の特性や状況もしっかりと把握し、女性の健康づくりの一層の推進を図るため、ぜひこの国の事業に取り組んでいただきたいと思うのですが、どうでしょうか。
◎副理事兼健康づくり課長(松下彰宏君) 身長と体重を用いまして人の肥満度をあらわしますBMIという指標で見ますと、大阪府におきましては、二十歳代の女性の約三割がいわゆるやせの状態にありまして、これは全国と比べても高い状況でありまして、また月経異常、不妊、あるいは低体重児の出生の原因ともなります。こうした課題に対応しまして、若年女性層の低栄養、低骨密度のリスクを減少させて女性の健康支援を進めるために食事バランスガイドを活用して女性の意識改革を図り、食生活の改善指導を行うことを事業内容としますいきいきつやつやヘルシーボーン事業というものを御指摘の女性健康支援対策事業として受託すべく、府として国に申請してまいる予定でございます。


◆(三浦寿子君) ありがとうございます。ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
 女性の健康づくりにかかわる取り組みを進めるに当たっては、先ほども言いましたように、女性のライフスタイルというのはめまぐるしく変化しております。仕事、家庭、地域でも社会の一員としての役割が大変大きくなって、求められていることも大きいと思っておりますが、しかし経済的な社会状況の変化、またDVの問題や心の問題、本当にそういう女性が抱える問題というのは大変重く多様になってきていると。そういった中でこの健康づくりというものを進めるに当たっては、医療機関だけではなく、行政、もちろん教育機関、そして女性の健康づくりをサポートするボランティア、NPO団体、そういった関係団体と連携しながら、社会全体で総合的に支援していくことが大事ではないかと思いますので、今後とも府としてそういった点も踏まえて取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、最後に認知症対策についてお伺いいたします。
 実は、平成十九年九月の健康福祉常任委員会においてもこの認知症対策についてお伺いいたしました。
 実は、最近ショックなことがございまして、私と同じ年の女性が二人ほど認知症になりました。私は若いけど、五十代。何か姿を見たときすごくショックで、もうちょっと年をとってからというものが身近にあるということで、認知症というのが本当に超高齢だけではなくて身近なもんやなというのを痛切に感じて、最近、物忘れすると、ひょっとしたら私も危ないんかなというふうに思うことが多々あるわけです。そういった点で、この認知症対策というのは大変重要な課題ではないかと思っております。
 前回、この委員会においてお伺いしておりましたときには、認知症の早期発見と早期対応というのが重要であり、地域での見守りや相談体制、支援の広がり、関係者の連携が重要であり、課題であると指摘させていただいたところでございます。そういった質問に対して大阪府からは、認知症の正しい理解と、地域や職域で認知症高齢者を見守り、その家族を含め支援する認知症サポーターとその育成に当たるキャラバンメイトの育成、これ、サポーターさんは六千人いらっしゃるということを伺っております。さらに、認知症に関する相談機能の周知と拡充、そして日ごろから高齢者とのかかわりは多く、高齢者が頼ることが多いかかりつけ医の認知症対応力の向上、そして認知症高齢者の介護従事者の理解力やケア技術の向上、そして地域全体で認知症高齢者を支えるネットワークづくりなどについて取り組んでいくということでございました。
 最近、認知症を取り上げる報道が以前よりもふえ、認知症に対する府民の関心は以前にも増して高まっていると感じておりますが。その後の府の取り組み状況についてお伺いいたします。


◎介護支援課長(平岩勝君) 大阪府では、認知症高齢者を地域で支援いたしますため、平成十八年度に認知症総合対策事業を創設し、さまざまな取り組みを進めてきたところでございます。これまで、御指摘の認知症サポーター等につきましては約二万五千人、それから認知症サポート医につきましては三十五人、認知症対応力向上のためのかかりつけ医研修の受講者は約六百人、それから認知症介護の研修受講者につきましては約四千人などの取り組みの実績を重ねているところでございます。
 また、平成十九年度からは認知症高齢者を地域で支えるネットワークづくりのモデル事業を府内の三カ所で実施いたしております。養成した人材を地域の活動につなげる取り組みを実践してまいったところでございます。このモデル事業におきましては、養成した認知症サポーターを地域のボランティアグループとして発展させ、認知症高齢者の具体的な見守りの担い手とすることや、認知症サポーターを初め、警察や消防といった地域の関係機関と協働いたしまして、徘徊する認知症高齢者を早期に発見するネットワーク、いわゆる通報システムを実現することができました。
 医療面におきましては、地域におけるかかりつけ医対応力向上研修によりまして、その修了者を早期発見の役割を担う認知症かかりつけ医と位置づけたことで地域住民が気軽に相談できる体制をつくりつつございます。このように、人材養成と地域での活動の場を連動させることで、地域住民や専門職を初め、地域の関係者が認知症高齢者を見守り支え合うといったネットワークの輪が広がってきているものと考えております。
 なお、モデル事業のうち、藤井寺市の取り組みが、認知症介護研究・研修センターというのがあるんですけども、そのセンターが主催する全国の「認知症でもだいじょうぶ」町づくりキャンペーンというのの町づくりモデルというのに選定をされてございます。これは、藤井寺市の取り組みが、住民だれもが高齢者となり、だれもが認知症になるという可能性の自覚のもと、住民みずからが積極的に支援の輪を広げる地域づくりの運動として高く評価されたものというふうに考えているところでございます。


◆(三浦寿子君) 全国的にも評価される取り組みが大阪府内で進められているということは大変喜ばしいことだと思います。まずはやってみることで、さまざまな体験や工夫を得ることで、また次への取り組みにつながっていく好循環をつくり上げることが成功の要因だと思います。
 この三カ所のモデル事業は、それぞれの地域でさらに発展させていく必要はあると思うのですが、その成果を生かして、府内市町村での取り組みを進めていかなくてはならないと考えておりますが、府としてどのようにお考えですか。


◎介護支援課長(平岩勝君) 今回のモデル事業を通じまして、人材育成と活動の場が連動することで具体的な活動につながることであるとか、モデル事業を通じて地域のさまざまな関係者の交流が進むこと、あるいは地域住民がその活動を実感できることといった点が非常に重要なことであったとの教訓を得たところでございます。
 このようなモデル事業を通じて学んだ効果や成果といったものは、事例を通じて多くの地域の関係者に伝えていくことができることでございますので、今回、モデル事業を含めた成功事例を次の地域づくりに生かせるように事例集を作成し、配布することによりまして、府内全域に普及してまいりたいと考えてございます。
 その際、今回のモデル事業では、府の保健所が事業の企画であるとか会議の設置などを通じまして市町村に働きかけを行いました。そして、一緒になって進めてきたということがございます。こうしたことが、事業を推進する上で大変有効であったと考えてございます。
 今後の普及に当たりましても、府の保健所を活用して府内全域で取り組みが進められるよう市町村に働きかけを行ってまいりたいと考えてございます。


◆(三浦寿子君) 認知症は、以前より介護を中心とした対応が進められてきましたが、病気であるという認識のもと、医療での対応の必要性が高まっていると聞いております。特に、認知症の早期発見、早期対応のためには医療と介護の連携が不可欠であり、今年度、認知症疾患医療センターが制度化されたことにより、ここを拠点に効果的な連携が進むと期待しておりますが、大阪府における整備状況はどのようになっているのでしょうか。
 また、北海道砂川市立病院、これ、ちょっとある本で見たんですが、地域医療連携システムが大変うまくいっているということで紹介されている病院なんですが、ここでは、院内の各診療科が連携して、物忘れ専門外来というものを設置し、地域のかかりつけ医から紹介のあった人の確定診断を行った後、その人の症状や治療方針などの情報をかかりつけ医に返して、情報を共有化することにより認知症患者を地域医療が連携して支える取り組みが行われているとのことです。
 このように、認知症高齢者が地域で生活を続けるためには、かかりつけ医を初めとした保健医療関係者が連携して支援する体制が必要と考えます。認知症疾患医療センターにおいて、かかりつけ医等の連携はどのように進められようとしているのでしょうか。


◎副理事兼地域保健感染症課長(野田哲朗君) 認知症高齢者を支援するためには、医療と介護が連携した切れ目のないサービス提供を実現することが必要と認識しております。この観点から、平成二年より、認知症高齢者の医療などに専門的、積極的に取り組む医療機関を老人性認知症センターとして順次整備してまいりました。
 また、平成二十年度からは国においても、保健医療と介護機関と連携を図りながら、認知症疾患に関する鑑別診断、身体合併症に対する急性期治療、専門医療相談等を実施し、地域における認知症疾患の保健医療水準の向上を図ることの方針が示されたことから、府といたしましても、センターの名称を認知症疾患医療センターと改めまして、さらなる整備を行ってきたところでございます。その結果、現在、全国で十一カ所の病院が指定機関となっておりますが、そのうち大阪府内では七病院を指定しているところでございます。認知症疾患医療センターは、かかりつけ医を初めとする保健医療関係者等への認知症に関する知識の向上を図るための研修を実施するとともに、地域包括支援センターなどの福祉機関及び保健医療機関等で構成されました認知症疾患連携協議会を組織するなど、地域の連携体制の強化に取り組んでいるところでございます。


◆(三浦寿子君) 大阪府内ではありがたいことに既に七病院が整備されているとのことであり、医療の拠点の整備とあわせて介護側の体制もさらに進めていかなければいけないのではないかと思っております。
 先ほどの砂川市立病院では、認知症高齢者を在宅で支援し続けるために、病院とかかりつけ医だけではなく、地域の看護スタッフとの連携で本人をしっかり支える体制づくりが行われております。どうしても認知高齢者というのは在宅で過ごされている方が多いと。その在宅で過ごされている方をケアする体制というのは、ケアマネジャーさんとかホームヘルパーさん、また通所をされている方は通所のデイサービスのスタッフ、そういった地域のケアスタッフというのがその症状をよく見ているわけですが、やはりその症状をいかにかかりつけ医にまたこの情報を提供するか、それによって、いわゆる認知症の方をどうケアしていくかということが、より深く連携する中で支えていけるのではないかと思います。そういった点でこの砂川市立病院はそういう連携がしっかりできているということなんですね。
 しかし、現実的には多くのところでは、看護側の体制は、看護支援専門員とかかかりつけ医、サービス提供事業者を初め、さまざまな関係者がかかわっているんですけれども、どううまく連携して本人を支援していくかということで試行錯誤されているのが現実ではないかと思います。そういった点でも、大阪府としてこのような現状を踏まえて今後どのように取り組んでいかれようとされているのか、お伺いします。


◎介護支援課長(平岩勝君) 現在、地域で高齢者を支援する中核機関といたしまして地域包括支援センターが設置されてございます。介護支援専門員、かかりつけ医、地域の関係機関との連携、それから在宅や施設の連携など、個々の高齢者の状況や変化に応じまして、包括的かつ継続的な支援体制の構築に向けた取り組みが実施されているところでございます。
 大阪府といたしましても、地域包括支援センターを中心といたしまして、地域の関係機関が連携することにより、支援を要するすべての高齢者やその家族の方々が身近な地域で適切な支援を受けられるように市町村を後押ししてまいりたいと思います。


◆(三浦寿子君) 地域包括支援センターを中心とした連携の取り組みというのは以前よりお聞きしているところですが、なかなか具体的なものが見えていないなというふうに感じております。というのも、私の地元の吹田でも直営で四つの包括支援センターが設置されているのですが、市民の方からよく市会議員さんとか私のところにも電話があるんですが、やはりそこに電話してもすぐ行政のほうに、吹田市の高齢対策室のほうに電話を振られるとか、その役割がちょっと厳しいなというのをよく聞くんですね。そういう意味では、この包括支援センターができたときの体制というのは本当に期待されるものも大きかったし、役割も大変多く担っておられるんですけれども、現実的には、よく聞く話なんですが、要支援者に対するケアプラン作成業務に追われていて、その考え方や理念が先行して、現実には地域の関係機関の連携にしっかり対応できていない、そういうふうにも思われるんです。
 そもそも地域包括支援センターは、自己完結型のサービス提供機関ではなくて、地域の関係者間の適切な役割分担を担って十分な連携が図れるよう、そのコーディネート機能を果たすことが本来の役割ではないかと思います。大阪府としても、介護保険の保険者で地域包括支援センターの設置主体でもある市町村と協力して、先ほどあった砂川市のような実効性のある取り組みを推進していく必要があると思いますが、その点いかがでしょうか。


◎介護支援課長(平岩勝君) 大阪府では、来年度から、認知症疾患医療センター設置市町村をモデル市町村といたしまして、認知症対策連携強化事業を創設することといたしております。この事業ですけれども、認知症疾患医療センター設置市町村をモデル市町村といたしまして、地域包括支援センターに認知症介護のスーパーバイザーであります連携担当者というのと、それから医療の相談役としての嘱託医を配置いたしまして、認知症疾患医療センターと連携しながら切れ目のない医療と介護のサービス提供や地域ケアに対する専門的な支援に取り組むものでございます。
 具体的には、医療センターの連携担当者との情報交換や日常的な連絡調整、それから医療センターにおいて認知症の確定診断を受けた高齢者の支援、それから管内のほかの地域包括支援センターからの相談等への専門的な助言、こういったことを、個別支援を通しながら関係者間の役割分担や連携ルールづくりなどの地域全体の連携方策の検討を進めることといたしております。
 現在、モデル市町村とその実施について調整を行っているところでございまして、大阪府といたしましても、積極的に検討にかかわるなど、事業が円滑に進むよう支援に努めてまいりたと思います。


◆(三浦寿子君) まずはモデル事業として実施していくということでございますが、残念ながら私の地元ではこの認知症疾患医療センターというのはないのでこのモデルの実施対象にはなっていないんですが、こういう取り組みというのはモデル市にとどまるだけではなくて、府内全体での地域で展開していかなければいけないと思っております。全体でしっかりこの事業の成果が共有できるよう進めていただきたいと思います。やはり前にも言いましたように、この地域医療連携、本当に大事なことです。また、前回質問しましたように、相談体制や地域の見守り、こういった広がりが大変また重要であります。
 私も先ほど言いました、同じ年齢の人が認知症に突然なったときに、お二人ともひとり暮らしだったんですけれども、地域の方がよくその方をいつも見ておられたので、本当に大変になったときに、その地域の方が何とか入れられる施設はないかとか対応はないかということで連携をとり合って、ある一つの病院を見つけられて、ちょっと年末年始預かってもらったとか、そういう経過があります。藤井寺市のモデルではないんですけど、認知症に対する知識の普及とか啓発というのが本当に大事やなって、今回、身近な課題で気がついたところです。
 まだまだ全国でもこの認知症サポーターは広がりを見せているんですが、大阪府においては総人口に占めるこのサポーターの数というのはまだまだ少ないかなというふうに、この数字を見せてもろうても、率から言うたら全国平均よりもちょっと低いし、さらに市町村の中身を見てみましても、大阪府内の市町村においても、先ほど言った藤井寺市なんかはやはり取り組みが進んでいるせいか、サポーター数も大変多いし、そういうところはやはり認知症の方の見守り事業というのも、本当に意識もそういう普及がしっかりされているのではないかと思います。こういった市町村のバランスというのがまだまだ厳しい状況でありますので、どうか今後とも府がしっかりそこら辺、市町村を応援する形で取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 私の質問は以上でございます。ありがとうございました。