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三浦とし子議会報告
平成22年3月9日 定例本会議
大阪府議会議事録より転載

◆(三浦寿子君) 公明党の三浦寿子でございます。一般質問の機会をいただきましたので、順次質問をさせていただきます。
 まず、認知症対策についてお伺いいたします。
 我が国における高齢化率は、この十年でさらに上昇し、現在二〇%を超える状況にあります。
 高齢者がふえるに伴い、認知症の方も当然ながら増加します。現在、八十五歳以上の四人に一人は認知症とも言われております。今後、二〇一七年には、七十五歳以上の高齢者の数が六十五歳から七十四歳の高齢者の数を上回るなど、人々の寿命が延びる中、だれもが認知症にかかる可能性がますます高くなっています。こうした中、認知症になっても、これまで生活してきた場で安心して暮らすことのできる社会づくりが求められています。
 認知症対策については、認知症に関する正しい知識と理解に基づく本人や家族への支援などを通して、地域単位での総合的かつ継続的な支援体制が必要です。その中でも、認知症に対するマイナスイメージや偏見をなくし、また多くの方に認知症は自分の問題でもあると認識していただくことを目的に、認知症を理解し、認知症の人への応援者である認知症サポーターと、その講師役となるキャラバン・メイトの養成講座が府内市町村において開催されているところでございます。
 私たちの会派も、有志で講座を受け、サポーターになりました。ちょっと少ないですが、このサポーターになりましたら、こういうオレンジリボンがいただけます。そして、こういった講座では、認知症は病気である、そして老化と認知症はこう違うということを伺い、サポーターになって何か特別のことをやる、そういう人ではなく、温かい目で認知症を見守るという役目がサポーターです。
 認知症の高齢者が安心して暮らせる地域づくりを行っていくためには、キャラバン・メイトや認知症サポーターは必要不可欠な人的資源であり、大阪府全域において、キャラバン・メイトや認知症サポーターの養成をさらに加速して積極的に進めていくべきであると思いますが、平成二十一年十二月三十一日現在のキャラバン・メイト、認知症サポーターの数の総人口に占める割合を見てみると、全国数値一・〇五二%と比較して大阪府は〇・六九〇%、まだまだ低い数値となっています。
 国においては、平成二十六年度の認知症サポーター養成目標数を四百万人としていますが、大阪府においても具体的な目標値を設定するなど、市町村とともに積極的に取り組んでいくべきと考えますが、福祉部長にお伺いいたします。

○副議長(野田昌洋君) 福祉部長高木哲夫君。

◎福祉部長(高木哲夫君) 認知症対策の御質問にお答えいたします。
 本府においては、府内市町村が各地域で認知症サポーター養成講座を円滑に実施できるよう、市町村職員や地域包括支援センター職員を対象としたキャラバン・メイト養成研修を実施するとともに、府みずからもコンビニエンスストアなどの社員を対象としたサポーター養成講座を開催するなど、市町村域を越えて企業や職域団体への普及啓発に積極的に取り組んでいるところでございます。
 今後とも、市町村と協力しながら、国の目標値に対する人口比を参考に、すべての市町村において総人口の三%、府の人口を乗じまして二十七万人を上回るサポーターを養成することを目指し、積極的に取り組んでまいります。

○副議長(野田昌洋君) 三浦寿子君。

◆(三浦寿子君) 認知症の方に対するケアについては、高齢者の尊厳の保持を基本として、個々の人の症状の変化に合わせた介護の提供が必要です。
 しかしながら、施設や事業所間の格差による介護する側の不適切なケアなどにより、徘徊や暴力、また幻覚といった認知症に伴う行動障がいと精神症状の悪化などの問題が一部で生じていると聞いております。認知症の人が安心して暮らしていくためには、適切な認知症ケアを普及させていくことが必要であり、認知症の正しい理解と生活支援の観点から必要なアセスメントを行い、ケアプランに反映していくことが重要です。
 また、高齢者のさまざまなニーズにこたえていくためには、地域包括ケア体制の確立が必要であり、とりわけ認知症ケアにおいては、医療と介護、福祉にかかわる多職種が協力して、地域資源を総動員しながら取り組んでいくことが重要であります。
 今後、介護従事者が個々の技術をスキルアップするとともに、認知症ケアを向上していくことが必要であると思いますが、大阪府の取り組みについてお伺いいたします。

○副議長(野田昌洋君) 福祉部長高木哲夫君。

◎福祉部長(高木哲夫君) 大阪府におきましては、介護保険制度創設前から、認知症高齢者に対する介護技術や介護サービスの向上を図るため、高齢者介護の実務者とその指導的立場にある者に対して、体系的な各種研修を行っているところでございます。
 また、地域において認知症施策を推進する関係機関が、ボランティア団体等も含めてネットワークを形成できるように多職種の研修等を開催し、地域における関係機関の強化につながる人材の養成も図っているところでございます。
 さらに、地域における包括ケア体制構築の中心的役割を担うべき各市町村の地域包括支援センターの職員を対象に、初任者から管理者に至るまで研修を実施しております。
 今後とも、介護従事者のスキルアップと地域における認知症ケア向上を積極的に支援してまいります。

○副議長(野田昌洋君) 三浦寿子君。

◆(三浦寿子君) 続きまして、医療と介護との連携についてお伺いします。
 認知症介護研究・研修東京センターが作成いたしました認知症の人のためのケアマネジメントセンター方式、いわゆるセンター方式という介護手法があります。これは、認知症の人の意向や秘められた能力をとらえて、その情報をもとに介護関係者が話し合い、本人の視点で支援の方向性や具体策を明確にするものです。多くの府県で活用され、本人の情報が共有化され、医療と介護の連携が円滑に進むなど、認知症の人のケアを行うために有効であると聞いております。
 このセンター方式について、大阪府としては活用されているのでしょうか、福祉部長にお伺いします。
 認知症については、早期発見、早期治療や適切な投薬といった医療的なアプローチと、本人のストレスを軽減し環境を整えるといった福祉的なアプローチが必要であるとともに、地域においてこれらのスムーズな連携を図ることが必要であると考えます。
 大阪府では、認知症疾患医療センターが既に十カ所設置され、今年度から、これと緊密に連携する地域包括支援センターに認知症連携担当者を配置し、地域包括ケア体制を強化し、医療と介護の切れ目ない提供を行う認知症対策連携強化事業も開始されます。
 今後、認知症に対応した医療と介護の連携はますます重要となってくると思いますが、大阪府においてはどのように進めていこうとされるのか、お伺いします。
 最後に、認知症高齢者御本人や家族の方が、専門医療機関や介護のことなど認知症に関する情報を得ようとしても、なかなかアクセスしにくい状況があります。地域においては、高齢者福祉に関する総合相談機能を有する地域包括支援センターが住民からの相談対応や情報提供に努めるべきですが、大阪府としても、認知症に関する医療介護情報等を例えばホームページに集約して掲載するなど、積極的に提供するべきと考えますが、あわせて福祉部長にお伺いします。

○副議長(野田昌洋君) 福祉部長高木哲夫君。

◎福祉部長(高木哲夫君) 議員お尋ねのいわゆるセンター方式につきまして、実際のケアマネジメントを行う介護支援専門員から、記載項目が多く、ケアプランの迅速な作成に支障を来すなど活用しにくいという意見もあったことから、本府におきましては、大阪府介護支援専門員協会と協力いたしまして、認知症の人や家族のニーズを的確に、かつできるだけ簡潔に把握し、それらのニーズに合った適切なケアプランが迅速に作成できるよう、センター方式のシートも活用したOCMAシートを独自に開発したところでございます。
 府としては、今後、このOCMAシートを連携の有効なツールとして活用していただけるよう、大阪府介護支援専門員協会と協力して、その普及に努めてまいります。
 次に、認知症に関する医療と介護の連携につきましては、本府では、府医師会と連携いたしまして、かかりつけ医への助言などを行い、専門医療機関や地域包括支援センターとのつなぎの推進役となる認知症サポート医を府内各地域に配置できるよう、計画的に養成を進めているところでございます。
 また、引き続き認知症疾患医療センターと認知症連携担当者等地域の関係者との情報の共有が図られるよう支援してまいります。
 さらに、認知症に関する情報を知りたい御本人や家族の方に、認知症の症状や相談窓口等の基本的な情報を提供できる認知症関連ホームページを開設するなど、医療介護情報の効果的な提供に努めてまいりたいと考えております。
 認知症ケアにおける医療と福祉との連携強化、情報提供の迅速化は、認知症に悩まれる多くの府民の方に対する重要な施策と考えておりまして、大阪府といたしましても、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

○副議長(野田昌洋君) 三浦寿子君。

◆(三浦寿子君) 認知症を支える大事なキーワードは、つなぐ力と言われています。それは、かかりつけ医、専門医療機関、認知症疾患医療センター、本人、家族、地域、地域包括支援センターや介護スタッフ、一人一人がつながれば大きな力になります。ぜひ、高齢者が安心して暮らせる大阪として、積極的な取り組みをお願いします。
 また、地域で私たちの安全な生活を守っていただいている警察官の皆様にも、高齢者の見守りを常日ごろから実施していただいているところです。今後とも、警察においても、認知症への知識と理解をより深めていただくなど、警察本部長には御協力のほどよろしくお願いいたします。
 また、知事におかれましても、ぜひ認知症サポーターになっていただくよう、よろしくお願い申し上げます。
 次に、母子家庭等の就業支援についてお伺いします。
 二〇〇九年版厚生労働白書によると、母子世帯数は二〇〇五年で七十四万九千四十八世帯となり、二〇〇〇年の六十二万五千九百四世帯から一九・七%も増加しています。
 子どもの十七人に一人は母子家庭で育っていると聞きます。母子世帯の一世帯当たり平均所得額は二百四十三万二千円で、全世帯の一世帯当たり平均所得金額五百五十六万二千円に比べ、約三百十三万円もの差があります。
 また、厚生労働省が二〇〇七年に発表した調査でも、父子家庭の平均年収は三百九十八万円で一般世帯の七〇%にすぎず、父子家庭の三七・二%が年収三百万円以下という状況です。
 リーマンショック以降、パートや非常勤労働者の解雇などにより、母子家庭を初め、ひとり親家庭の暮らしは非常に厳しい状況に置かれています。とりわけ、母子家庭の自立促進のためには、就労支援が重要であり、新しい就業機会の創出や身近な市町村、地域での取り組みの推進を図ることが必要です。
 大阪府としても、ひとり親家庭、特に母子家庭への就業、自立支援を積極的に進めていくべきであると考えますが、今後どのように展開されようとしていくのか、福祉部長の見解をお伺いいたします。

○副議長(野田昌洋君) 福祉部長高木哲夫君。

◎福祉部長(高木哲夫君) 母子家庭の就業自立支援についてお答え申し上げます。
 母子家庭では、約九割の方が就業されておりますが、その実態は非正規雇用の方が多く、御指摘のように世帯収入は依然として低い状況にございます。
 昨年十二月に府が策定いたしました第二次大阪府母子家庭等自立促進計画では、就業支援を基本目標の第一に掲げ、母子家庭等の就業能力向上のための訓練、就業機会の創出、効果的な就業あっせんなどに取り組むこととしております。
 この計画を受け、新しい就業機会を創出するため、平成二十二年四月には、堺市及び高槻市、東大阪市と共同で新たにひとり親家庭等在宅就業支援事業を開始し、在宅就業にも結びつくコールセンタースタッフの養成から、企業開拓と効果的な就業あっせんまで一貫した就業支援を行ってまいります。
 また、地域での就業支援の取り組みを推進するため、平成二十二年度から、新たにパソコンなどの技術向上を図る就業支援講習会を府が市町村と連携して身近な地域で実施することにより、母子家庭が参加しやすくなるよう努めていくこととしております。
 さらに、母子家庭の個々の実情に応じた就労を推進する母子自立支援プログラム策定等事業や、看護師など就職につながりやすい資格取得を目的とする高等技能訓練促進費事業が府内全域で実施されるよう、市町村への働きかけを強め、母子家庭への就業、自立支援を積極的に進めてまいります。

○副議長(野田昌洋君) 三浦寿子君。

◆(三浦寿子君) 続きまして、シュア・スタートプログラムについてお伺いします。
 核家族化が進行し、地域のつながりが希薄化する中で、周囲から孤立し、我が子の子育てをどうしたらよいかわからない親がふえています。また、育児不安やストレスから虐待につながるケースが多いと聞きます。児童虐待は、後を絶ちません。
 虐待や子育て不安は、関係者の見守り、ケースワークだけでは、問題を軽減することはできても、抜本的な解決にはつながりません。親自身が自分を取り戻し、自信を持って育児に取り組むことができる親育て事業が大切であるということを私は平成二十年九月の一般質問においても主張してまいりました。
 子育て支援については、知事は、身近な子育ては市町村に任せるとして、大阪府地域福祉・子育て支援交付金という形で市町村にゆだねられました。しかし、市町村からは、地域の子育て支援者が有するノウハウや、気になる子育て家庭に対する支援方法などを提示してほしいとの声も寄せられております。
 こうした中、今年度、府では、市町村との共同で、周囲から孤立し、育児不安を抱える子育て家庭への支援方法等を調査研究し、その成果を市町村に還元する大阪シュア・スタートプログラム事業を実施しています。
 私も、先日、この調査研究に参加している摂津市に伺いました。意見交換の中で、このような家庭に対する支援を子どもの幼少期から実施すること、そして子育て家庭の状況に応じた支援策をコーディネートする人材を地域で育成することの重要性を改めて認識したところでございます。
 このような取り組みは、非常に効果的であると思うことから、他の市町村にも広く提示し、積極的に実施されるよう支援していくことが府の役割と考えます。どうでしょうか。
 また、来年度から、地域福祉・子育て支援交付金に子育て支援分野特別枠が創設されます。市町村が、この特別枠も活用しながら、地域の実情に応じた子育て支援策を積極的に展開していくためにも、子育て支援に関して、各種プログラムを実施するために必要な人的体制や費用、場所の提供などのメニューをしっかりと示していくことが大切であると考えますが、どうでしょうか、あわせて福祉部長にお伺いします。

○副議長(野田昌洋君) 福祉部長高木哲夫君。

◎福祉部長(高木哲夫君) シュア・スタートプログラムについてお答え申し上げます。
 周囲から孤立し、育児不安を抱える子育て家庭に対する子どもの幼少期からの支援の実施や、支援策をコーディネートする人材の地域での育成については、大変重要であると認識しております。
 府としては、市町村がこうした取り組みを積極的、効果的に進めることができるよう、今年度、これらの課題などに関する調査研究を市町村とともに実施しております。今後、その成果を市町村に還元することにより、この取り組みが積極的に実施されるよう努めてまいります。
 また、来年度から創設する予定の子育て支援分野特別枠も活用しながら、市町村が地域の重点課題に適切に対応できるよう、府の情報収集発信機能をより強化し、調査研究成果の提供のほか、府内市町村や他府県の先進事例等の検討、紹介などを通じて、市町村の政策立案機能の向上を支援してまいります。

○副議長(野田昌洋君) 三浦寿子君。

◆(三浦寿子君) 次に、小中学校における支援学級、通級指導教室の設置についてお伺いします。
 平成十八年六月の学校教育法改正により、平成十九年四月から特別支援教育がスタートいたしました。
 特別支援教育、本府では支援教育と呼んでいますが、その目指すところは、障がいのある子どもの自立や社会参加に向け、一人一人の教育的ニーズを把握し、持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善、克服するため、適切な指導や必要な支援を行うものであります。
 支援教育の実施に当たっては、大阪がこれまで大切にしてきた、ともに学び、ともに育つ教育をさらに進める観点から、地域の小中学校における教育環境と支援体制の整備等について我が党として提言し、要望もしてまいりました。
 また、通常の学級にも発達障がいのある児童生徒が多数在籍している現状も踏まえ、それらの児童生徒への指導、支援の場として通級指導教室をふやすことを強く求めてきたところです。
 我が党のこれらの要望に対し、大阪府では、支援学級や通級指導教室をふやすことや、医療的ケアを必要とする児童生徒が在籍する小中学校への看護師配置に対する補助等、小中学校における教育環境と支援体制の整備に先進的に取り組んできていただきました。
 こうした中、国においては、平成二十二年度に、発達障がいを初め、通常の学級に在籍する支援を必要とする児童生徒の教育環境を整備するため、小中学校の通級指導教室の充実を示したと聞いていますが、通級指導教室の設置を含め、次年度の府内小中学校における支援教育の環境整備をどのように進めていくのか、教育長にお伺いいたします。

○副議長(野田昌洋君) 教育長中西正人君。

◎教育長(中西正人君) 小中学校における支援教育の環境整備についての御質問にお答えいたします。
 まず、小中学校の支援学級につきましては、平成二十二年度は、小中学校合わせて二百三十七学級をふやす予定でございまして、合計で三千六百二十九学級となる予定です。
 次に、通常の学級に在籍している発達障がいのある児童生徒への指導、支援につきましては、府教育委員会といたしましても、大きな課題であると認識をいたしております。そのため、平成二十二年度の通級指導教室の整備につきましては、国の教職員の定数改善を活用いたしまして、小中学校とも大幅にふやすこととしており、合計百六十五教室とする予定でございます。この結果、府内すべての市町村に中学校の通級指導教室が設置をされることとなります。
 こうした支援学級や通級指導教室を設置する小中学校をふやす取り組みを通じまして、障がいのある児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた指導、支援をより一層充実してまいりたいと考えております。

○副議長(野田昌洋君) 三浦寿子君。

◆(三浦寿子君) 次年度、府内全市町村に中学校の通級指導教室を設置されると聞いていますが、このことについては評価しています。設置件数は、まだ十分とは言えませんが、全市町村に支援教育を推進していく上で中心的な役割を担う通級指導教室担当者が配置されるということは、通常の学級に在籍する発達障がいの児童生徒を含め、障がいのあるすべての児童生徒一人一人に対するきめ細やかな指導、支援の実現に向け、一つの契機となるものと期待しております。
 小中学校における支援教育の教育環境の整備がこのように進む中、支援教育の理念である就学前から学校卒業後まで一貫した支援をつないでいくためには、今後は幼小中高など校種間での連携をいかに充実させていくかということが大きな課題であります。
 とりわけ、早期からの支援の重要性が叫ばれている今、幼稚園や保育所等の就学前機関と小学校との連携を深め、障がいのある幼児が安心して学校生活を送れるよう、幼稚園や保育所等から小学校へしっかりと支援の内容をつないでいく必要があると思います。
 また、同じく義務教育修了後の高等学校においては、小中学校に比べ、まだまだ支援教育の体制整備が進んでいない状況があります。障がいのある生徒に対する適切な支援が十分になされていないという指摘もあります。高校は、義務教育ではなく、入試を経た生徒であるという認識が強く、高校側は従来どおりの指導を続ける結果、障がいを抱えた生徒が不適応を起こしやすいなど、高校段階での学校不適応や学業不振に陥る発達障がいも少なくないとの声も聞いております。
 大阪府として、今後、障がいのある子どもへの支援について、幼稚園や保育所等の就学前機関と小学校との連携、また中学校から高等学校との連携、加えて高等学校における支援体制をいかに進めていくのか、お伺いいたします。

○副議長(野田昌洋君) 教育長中西正人君。

◎教育長(中西正人君) 次に、支援教育における校種間の連携についての御質問にお答えいたします。
 支援教育の推進におきましては、障がいのある子ども一人一人の自立や社会参加に向けまして、障がいの状況やニーズに基づいた支援内容を就学前の段階から義務教育段階、さらには後期中等教育段階へと確実に引き継いでいくことが非常に重要であると認識をいたしております。このため、幼児期から学校卒業後までを通じて一貫して的確な支援を行うことができるよう、教育機関を初め保護者、関係機関も参画をし、個別の教育支援計画を早い時期から作成するとともに、有効に活用することで、幼稚園などの就学前機関と小学校の連携がより一層図られるよう、市町村教育委員会に対し指導や助言を行ってまいります。
 また、高等学校におきましても、中学校との連携を深めるため、個別の教育支援計画を活用するとともに、すべての府立高等学校におきまして、支援教育コーディネーターを指名するなど、校内支援体制のより一層の充実に努めてまいります。

○副議長(野田昌洋君) 三浦寿子君。

◆(三浦寿子君) 発達障がいを含め、障がいのあるすべての幼児、児童生徒に対して、これまで以上に適切な支援が就学前から学校卒業後まで一貫して行われることが非常に重要です。
 市町村教育委員会が所管する公立幼稚園と小中学校間の連携については、比較的スムーズに行われているようですが、今後は、保育所や私立幼稚園と小学校との連携、中学校と高等学校との連携についても円滑に行われるよう、市町村教育委員会や関係部局とも連携し、個別の教育支援計画を活用した校種間連携の具体的なシステムづくりに努めていただきますようお願いしておきます。
 最後に、教育センター附属研究学校の設置についてお伺いします。
 大阪の子どもたちを取り巻く状況には、大変厳しいものがあります。いじめ、不登校、中途退学、学力、体力問題など課題が山積しています。
 こうした中、平成二十三年度に教育センター附属研究学校を設置し、大阪の教育課題を踏まえた実践、研究を展開すると聞いております。附属研究学校では、どのような実践、研究を進めていくのでしょうか。また、大阪の教育をさらに充実させていくためには、教員の指導力の向上が非常に重要であると考えます。こうした中、附属研究学校における教員の授業力向上においては、具体的にどのような取り組みを展開されるのか、お伺いいたします。

○副議長(野田昌洋君) 教育長中西正人君。

◎教育長(中西正人君) 教育センター附属研究学校についての御質問にお答えいたします。
 教育センター附属研究学校では、教育センターの持つ研究機能や研修機能と学校現場の教育活動とが直結し、大阪の多くの学校が共通して直面いたしております授業改革や中退及び不登校への対応といった課題の解決に向けまして、教員の授業力の向上や新しい授業の開発、生徒指導、教育相談の充実に取り組んでいくことといたしております。
 具体的は、実際の授業に即しまして授業研究を日常的に実施するとともに、これからの社会に求められる知識、技能を活用する力などの能力を育成するモデル事業や、ICTを活用した新しい教育方法を開発いたします。
 また、現在、大きな課題となっております不登校生徒の学校復帰を支援いたしますために、適応指導教室を設置いたしまして、附属研究学校以外の生徒も受け入れてまいります。
 とりわけ、議員御指摘の教員の授業力の向上は、重要な柱であると考えておりまして、新たに設置をする授業研究教室を活用いたしまして、授業の様子を録画し、それをもとに振り返りや分析を行うなど、校内研修を計画的かつ組織的に実施をいたします。
 さらに、すぐれた授業実践や指導方法を記録するとともに、編集して蓄積するなど取り組みの成果を府内全域に発信をし、大阪府全体の教育力の向上に努めてまいります。

○副議長(野田昌洋君) 三浦寿子君。

◆(三浦寿子君) 附属研究学校では、教員の授業力の向上、新しい授業の開発、生徒指導、教育相談の充実を目指した取り組みを展開するとのことですが、入学する生徒にとって、この学校で学ぶことの魅力は何でしょうか。
 中学生にとって、入りたい学校としていくためには、学校の特色や魅力を端的にあらわすキャッチコピーが重要であると考えます。具体的なイメージにつながるように、附属研究学校の特色や魅力をどのように表現しようとされているのか、お伺いいたします。

○副議長(野田昌洋君) 教育長中西正人君。

◎教育長(中西正人君) 教育センター附属研究学校の特色についての御質問でございますが、教育センター附属研究学校の特色を端的にあらわすために、附属研究学校をナビゲーションスクールというように位置づけております。
 ナビゲーションスクールと申しますのは、この大阪のさまざまな教育課題の解決のモデルとなるナビゲーター、進むべき方向を示す学校ということを意味しており、また生徒にとってのナビゲーター、生徒の自己実現に向けて進むべき進路を示す学校という意味もあわせて持っております。
 附属研究学校に入学をした生徒は、隣接をする教育センターのスタッフや、施設設備を活用した理科教育や情報教育などの充実した授業を受けることができます。
 今月末には、知識や技能を活用し、課題を探求する、いわゆるPISA型学力をはぐくむ特色ある科目の設定など、教育課程の具体的な内容等を公表する予定でございまして、平成二十二年度には、これらを踏まえまして広報や周知を図ってまいりたいと考えております。

○副議長(野田昌洋君) 三浦寿子君。

◆(三浦寿子君) 私は、何回も内容を聞いたんですが、やはりなかなかイメージがわかないのが現状で、中学生にとって、生徒の立場に立ったときに、本当に入りたい学校かどうかということを、本当にこの短い期間になると思うんですが、しっかり検討していただいて、本当にいいキャッチで、ぜひたくさんの生徒が応募するような学校にしていただきたいと思います。
 再質問ですが、全国初の公立高校のモデル事業として注目されているわけですが、附属研究学校関係の二十二年度当初予算額は、二百二十五万円となっております。
 例えば、府立高校のさらなる特色づくり推進事業費において、同じ二十三年度から開校予定している摂津高校の体育科設置の予算が約八千五百万円であります。進学指導特色校の整備事業費が、これは十校でですが、約一億六百万円となっています。この差は、一体何なんでしょうか。
 附属研究学校は、この予算で先駆的事業を展開することができるのでしょうか、お伺いします。

○副議長(野田昌洋君) 教育長中西正人君。

◎教育長(中西正人君) 教育センター附属研究学校の整備費でございますが、この平成二十二年度予算につきましては、二十三年度の開校に向けて授業研究で活用する録画カメラなどの必要な物品の予算をただいまお示しの額、計上しているところでございます。
 ただ、施設面につきましては、附属研究学校となります大和川高校は、この平成二十二年度に耐震診断が行われることになっておりますので、教育委員会といたしましては、その結果も踏まえまして、必要な整備について検討していきたいと考えております。

○副議長(野田昌洋君) 三浦寿子君。

◆(三浦寿子君) 教育センター附属研究学校の設置は、全国の公立学校では初めての取り組みと伺います。しかし、その意気込み、また特色というものが、明確に伝わってはきません。全国の先駆的モデル、また大阪のこれからのナビゲーターとなる学校であるなら、それなりの予算、また設備、人材の活用など、全国に自信を持って発信できるような学校体制にするべきではないでしょうか。積極的な今後の取り組みをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。