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三浦とし子議会報告
平成24年2月 定例会本会議
大阪府議会議事録より転載
◆(三浦寿子君) 公明党大阪府議会議員団の三浦寿子でございます。
 今回、一般質問の機会をいただきましたので、順次質問をさせていただきます。
 初めに、ひきこもり、ニート対策についてお伺いします。
 平成二十二年四月に、子ども・若者育成支援推進法が施行され、さまざまな事情により、社会生活を営む上で困難を有する子ども、若者を地域において支援する取り組みが求められています。大阪府では、今年度から民間支援機関と市町村が協力し、関係機関と連携した地域支援ネットワークを構築し、ひきこもり状態になっている青少年の社会的自立を支援する取り組みを大阪府内三カ所で先行的に実施されていると伺っております。
 これまでも会派として申し上げてきたことですが、ひきこもり、ニート対策として、住民に最も身近な市町村が中心となって地域支援ネットワークを構築し、支援に取り組むことは非常に有効であり、まずはこのような取り組みを全市町村へ広げていくことが必要ではないでしょうか。  このような点を踏まえ、ひきこもり等のさまざまな事情により、社会生活を営む上で困難を有する若者を地域で把握し支援するために、府としてどのように取り組んでいくのでしょうか、危機管理監にお伺いいたします。

○議長(浅田均君) 危機管理監藤岡巧一君。

◎危機管理監(藤岡巧一君) ひきこもりの状態にある若者の支援に当たりましては、その発見から相談機関への誘導及び相談、社会参加支援を経て、自立に至る一貫した取り組みが必要であります。このため、ひきこもり青少年ゼロ・プロジェクトということで、府と市町村、NPO等民間支援機関等が、適切な役割、機能を分担しながら協働する総合的な支援体制の確立に取り組んでいるところでございます。
 本年度は、府内三カ所において民間支援機関による信頼性のある支援拠点を整備するため、臨床心理士などの専門職を配置いたしまして、訪問支援や居場所の提供などの支援サービスを先行的に実施いたしますとともに、住民が身近に相談できる市町村単位での地域支援ネットワークの構築に努めてきたところでございます。また、社会から孤立しやすいひきこもりの若者を早期に把握し支援機関へ誘導するため、民生委員、児童委員向けのガイドブックを策定するなど、地域における発見、誘導の仕組みづくりを行っております。
 平成二十四年度は、今年度の成果を踏まえまして、府内十カ所において支援拠点の整備を予定いたしております。地域支援ネットワークの拡充を図りますとともに、支援人材を育成するための研修システムをNPO等の民間団体と協働で開発するという取り組みも進めてまいります。
 今後も、市町村や民間団体等と協力をいたしまして、平成二十六年度までに府内全域において、ひきこもり等の困難を有する子ども、若者を支援できる体制を整備してまいりたいと考えます。

○議長(浅田均君) 三浦寿子君。

◆(三浦寿子君) ひきこもりを地域で発見、誘導するといういわゆる入り口の部分は、今後拡充されていくということですが、重要なのは、それら若者がその能力を発揮し、職業的自立に結びついていくという出口の支援です。確かに、就職活動に消極的で、やる気と元気が表面的に見えず、なかなか窓口にも出向かない、いわゆるニートの若者も多く存在しているのが実態です。
 しかし、このニートの中には、働く意思はあるのに、なかなか職を見つけることができない若者も多く存在しています。しかし、世間的には、ニートの若者については社会的にも怠け者といったマイナスのイメージはまだまだ根強く、職業的自立を図ることは容易ではありません。
 先日、新聞で、「レイブルと呼んで」という記事が目に入りました。その記事では、ニートと呼ばれる中でも働く意思のある若者を遅咲きという意味のレイトブルーマーと呼び、就労支援を強化する事業が大阪で動き始めているとありました。このレイブルという新名称を広める目的で、演劇やイベント、PR誌の発行などが実施されているとのことでしたが、ニートのマイナスイメージを払拭するためには、こうした広報啓発事業は重要であり、継続することで、より効果を発揮するのではないかと期待しております。しかし、本事業は、国の交付金を活用しており、この交付金もことしで終了と聞いております。
 そこで、レイブル応援プロジェクト大阪一丸を実施しているねらいやその取り組み、今後の展開についてお伺いします。
 また、東京の豊島区では、NPO団体が企業とも連携しながらユニークな若者支援事業を実施しています。学びの場、居場所、ジョブトレーニング−−中間就労の場の三つの柱で若者を自立に結びつけていくというものです。
 この事例のように、NPO団体や企業とも連携していくということが重要ですが、大阪府では、どのようにNPO等と連携し、ニートの職業的自立への支援を図っていくのでしょうか、あわせて商工労働部長にお伺いいたします。

○議長(浅田均君) 商工労働部長杉本安史君。

◎商工労働部長(杉本安史君) レイブル応援プロジェクト大阪一丸とニートの職業的自立への応援についてお答えをいたします。
 大阪府では、ニートの中で働く意思を持ち、行動を起こしている若者をレイブルと呼ぶよう提唱し、マイナスイメージの改善を図るため、レイブル応援プロジェクト大阪一丸を推進しております。このプロジェクトでは、レイブルが働くことについて話し合う大阪レイブル百人会議の開催や大阪駅前でのPR誌の配布、体験や思いを伝える演劇等の広報啓発事業を実施し、ニートへの理解を図ってきました。レイブルの応援については、府民、支援団体、企業の協力を得ながら、来年度も引き続き実施できるよう取り組んでまいります。
 NPO等と連携した支援につきましては、これまでも積極的に推進してきたところですが、来年度は、レイブルが職場体験から職場実習、アルバイトといった段階的な経験を通じて、最終的に正社員へと結びつけていく企業共同型レイブル自立化事業をNPOや企業と協力して実施いたします。こうした取り組みを通じて、ニートの若者が就職しやすい社会環境をつくり、自立できるよう支援してまいります。

○議長(浅田均君) 三浦寿子君。

◆(三浦寿子君) 次に、周産期の母親支援による子どもの虐待予防についてお伺いします。
 先日、大阪府警が昨年一年間に把握した児童虐待の件数は、前年の千三十二件から三割近くふえ、過去最多を更新し千三百二十六件、亡くなった児童は三人減って四人との報告がされていました。児童虐待に関しては、一昨年、大阪市西区で母親のネグレクトの末、幼い姉弟が死亡するという痛ましい事件が社会に大きな衝撃を与えましたが、それ以降も子どもが命を奪われる児童虐待事件は後を絶ちません。実際、児童虐待の死亡事例を見ていると、二〇〇九年度に発生した四十九人の虐待死のうち、死亡した子どもの年齢はゼロ歳が二十人と最も多く、ゼロ歳から五歳が四十三人で約九割を占めています。加害者は、実母が約半数と最多でした。
 また、厚生労働省が、昨年三月まで五年間に虐待死した子ども三百十一人について検証したところ、ここでもゼロ歳児が四四%を占め、その母親の八%が精神疾患と医師に診断され、一四%がうつ状態にありました。
 このような虐待を防止するためには、妊娠二十二週から出産後七日未満の周産期に当たる母親への支援が重要と言われています。こうした母親は、この時期に社会や地域から孤立しているケースも多く、孤立すると虐待のリスクが高まるとの指摘が数多くされています。そのことからも、悩みを相談できる体制整備など妊娠、周産期の支援強化が必要となります。
 長崎県では、出産後の全産婦を対象に、産後うつなどを統一質問票でチェックする事業を始めたと聞いています。その中で、支援が必要と判断されたリスクの高い家庭を漏れなく把握し、市町の保健師につないで早期に支援するということを行っています。
 産後うつに限らず、産科医療機関では、周産期における母親のさまざまなリスク要因を発見できる可能性は高いと考えますが、大阪府では、産科医療機関と連携した虐待予防の取り組みを行っているのでしょうか、健康医療部長にお伺いいたします。

○議長(浅田均君) 健康医療部長高山佳洋君。

◎健康医療部長(高山佳洋君) 周産期の母親支援による子ども虐待予防、そのための産科医療機関と連携した取り組みについてお答え申し上げます。
 本府では、医療機関との連携による虐待予防対策として、平成二十一年度より府内全域におきまして、妊娠、出産から育児期までを対象に、産婦人科や小児科等の医療機関と保健所、市町村保健センターといった保健機関との連携システムを構築してるところでございます。具体的には、医療機関で虐待が懸念されるケースがあった場合、府内統一様式である情報提供票により、府内の保健機関に対して必要な情報が送付され、これを受けた保健機関は、訪問により養育支援を行う仕組みが定着しているところでございます。
 平成二十二年度の実績につきましては、医療機関からの情報提供数は約四千件に上り、これに対する訪問率は九五%でございました。訪問の結果、養育不安があったケースが三二%、さらに虐待リスクありと判断されたケースが一一%見出されたところでございます。

○議長(浅田均君) 三浦寿子君。

◆(三浦寿子君) 今の御答弁では、医療機関からの情報提供に対する訪問率が九五%であったとのことです。これは、残り五%が訪問できていなかったということですが、数にすれば約二百件も訪問できていないことになります。この二百件の中にこそ、最も深刻なケースがあるのではないかと不安を覚えます。訪問率一〇〇%を早急に実現していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 さて、医療機関から提供される情報の中で、主なリスク要因はどのようなものでしょうか、また訪問の結果、虐待リスクがあると判断されたケースが一一%もあるとのことですが、その後どのような支援を行っているのでしょうか、健康医療部長にお伺いします。

○議長(浅田均君) 健康医療部長高山佳洋君。

◎健康医療部長(高山佳洋君) 子ども虐待予防のための情報提供と支援についてお答え申し上げます。
 主なリスク要因についてでございますが、まず子どもの要因では、未熟児が圧倒的に多く、次いで多胎や先天性疾患、障がいなどとなっております。保護者側の要因といたしましては、育児知識や育児姿勢などに問題ありという内容が最も多く、次いでひとり親や未婚、産後うつを含む精神疾患や、アルコール及び薬物依存、さらに経済的不安といった要因が多く見られております。
 訪問によりまして虐待リスクがあると判断されるケースにつきましては、継続的な訪問やこんにちは赤ちゃん事業、乳幼児健診などによりまして、切れ目なくフォローアップいたしますとともに、必要に応じて福祉など関係機関への橋渡しも行っているところでございます。また、子ども自身に医療的なリスクがある場合は、医師など専門職による療育相談を初め、同じ悩みを持つ保護者が集まる場を提供するなど、保護者が孤立しないよう継続的な支援を行っているところでございます。

○議長(浅田均君) 三浦寿子君。

◆(三浦寿子君) これまでも、本会議で、周産期医療の充実と未受診や飛び込み出産などハイリスクを抱える妊婦への相談、支援体制を求めてきました。
 大阪府では、二十一年度、その実態調査をされ、未受診や飛び込みによる出産等実態調査の報告が出されたところです。その結果の中で、未受診妊婦百五十二人中未成年が二十四人で一五・八%、未婚が六九%で、多くが無職など不安定な就労状況でありました。また、聞き取り調査では、未受診の理由としては、経済的理由が最も多く三三%で、気がつかなかった、どこに行ってよいかわからなかったなど身体、社会的システムへの無知、知識の欠如が二一%もありました。
 未受診ということは、明らかに新生児の虐待に通じる問題でもあります。また、この報告でも、改めて妊娠、出産は本来危険性を抱えているものであり、適切な医学的関与のある周産期管理が必要であると考察されています。
 これまでも、医療、福祉の枠を超えた教育の場での啓発を求めてきましたが、改めて虐待を早期から予防するという観点から、大人になる前に、将来親になるための心構えや、いかに命がとうといかなどを教えていく必要があると考えますが、健康医療部長の御所見をお伺いいたします。

○議長(浅田均君) 健康医療部長高山佳洋君。

◎健康医療部長(高山佳洋君) 子ども虐待予防のための若年層への啓発についてお答え申し上げます。
 若年層に対し、妊娠や出産に対する正しい知識の啓発を行うことは、大変重要であり、将来の虐待予防にもつながるものと考えております。このため、本府におきましては、人権尊重の教育の視点を踏まえ、若年層、とりわけ思春期を迎えた中学生を対象に、命のとうとさや母子の健康に関する知識の啓発を行うためのDVDを三月末をめどに作成しているところでございます。
 今後、府内の中学校を初め、市町村保健機関、さらには児童養護施設などで活用いただけるよう、教育委員会など関係機関の協力を得ながら普及啓発に努めていくところでございます。

○議長(浅田均君) 三浦寿子君。

◆(三浦寿子君) ここまで御答弁をお聞きして、子どもの虐待予防について、いろいろと取り組んでいただいていることは理解できました。しかし、虐待予防の視点からも、府民のだれもが安全な妊娠、出産ができるよう環境整備を行うことも必要です。
 先日の我が会派の代表質問においても、同様の質問をさせていただきましたが、妊婦健診公費負担について、府内市町村の平均が全国最下位であること、さらに府内市町村間で妊婦一人当たり最大八万円もの格差があること、これらの現状を踏まえ、府内すべての市町村がせめて全国平均並みの公費負担ができるよう、府としてしっかり取り組んでいただきたいと考えますが、健康医療部長に再度御所見をお伺いいたします。

○議長(浅田均君) 健康医療部長高山佳洋君。

◎健康医療部長(高山佳洋君) 妊婦健康診査公費負担の拡充、促進についてお答え申し上げます。
 妊婦健診公費負担の拡充につきましては、これまで国に対し、抜本的な制度改正を強く要望いたしますとともに、大阪府医師会や大阪産婦人科医会とも連携しながら、市町村に対する働きかけを行ってまいりました。各市町村におきましても、財政状況が厳しい中、御努力をいただいてるものの、さまざまな理由から思い切った拡充に踏み切れない状況にございます。
 今般、ようやく国が平成二十五年度に向け検討中の子ども・子育て新システムにおきまして妊婦健診を法的に位置づけるとの方向性が示されましたことから、今後、国の動きを注視しつつ、市町村に対し随時情報共有に努めますとともに、全国平均レベルまで公費負担を拡充していただくよう働きかけてまいります。

○議長(浅田均君) 三浦寿子君。

◆(三浦寿子君) 妊婦健診につきましては、公明党が推進し、もう本当に安心安全な出産をしていただきたいという思いからのものですから、ぜひ大阪府としても全力で取り組んでいただきますよう、あわせて知事のほうにもよろしくお願い申し上げます。
 次に、性犯罪被害者対策についてお伺いします。
 大阪の性犯罪は、多発傾向にあり、強制わいせつの認知件数は全国最多と報じられています。府警におかれましても、抑止と検挙の両面に心血を注いでおられると思っております。
 性犯罪の被害者は、他の犯罪の被害者と比べ、だれかに相談することもできず、被害の届け出もしないまま泣き寝入りする傾向が高く、警察でも認知できない事件が多いと認識しております。性犯罪の被害者への対応に当たっては、被害者の特性や被害者心理に対する理解が必要不可欠と思いますが、被害に遭われた方が戸惑うことなく警察に訴え出やすい環境づくりのために、どのように取り組んでおられるのでしょうか、警察本部長にお伺いいたします。

○議長(浅田均君) 警察本部長坂口正芳君。

◎警察本部長(坂口正芳君) 性犯罪の被害に遭われた方が、戸惑うことなく私ども警察に申告する環境をつくるための取り組みについてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、性犯罪は、被害者が受ける精神的ダメージが極めて大きく、被害申告がなされにくいため、被害が潜在化してるというのが実情と認識しております。
 そこで、性犯罪の被害に遭われた方が、戸惑うことなく相談していただけるように、当府警察では、女性捜査員によるウーマンラインという性犯罪被害相談専用電話を設置しまして、性犯罪被害に関する相談を受け、関係機関と緊密に連携しながら継続的に支援を行うなど、被害に遭われた方の声を酌み取り、その不安を取り除くように努めているところであります。
 また、警察に性犯罪の被害申告があった際には、被害に遭われた方の精神的な負担を少しでも軽減するため、被害に遭われた方からの事情聴取に当たることなどを任務とした指定女性捜査員制度を設けて運用し、被害者の心情に配意しながら的確な対応に当たり、捜査に対する御理解と御協力の確保にも努めております。
 この指定女性捜査員に対しましては、定期的に講習を実施しているほか、性犯罪被害者による講演会の開催や各警察署に対する性犯罪捜査専従班による巡回教養を行うなど部内の教養を充実させ、一人一人の警察官が性犯罪被害者の特性や心理について理解を深めるように努めているところであります。
 さらに、産婦人科医会などとの連携も図り、被害に遭われた方が孤立し、精神的なダメージが深まることのないように積極的に取り組んでるところであります。

○議長(浅田均君) 三浦寿子君。

◆(三浦寿子君) 産婦人科医師会などとの連携を図っているとのことでしたが、性犯罪の捜査の的確な推進を図るため、また被害者の治療カウンセリング等の各種支援のためには、警察だけでなく医療関係の対応も重要です。実際、性犯罪被害者が、医療機関での対応のまずさにより、PTSDになるなど、二次被害を受けられるような事例もあると伺っております。関係者にも、被害者支援の専門的な知識が求められるところです。
 実は、カナダでは、三十年前からSANEという性暴力被害者支援看護師の存在が有効に活躍していると伺っております。府内にも、性暴力救援センター・大阪、通称SACHICOに専門的な知識を持つスタッフがいると聞いていますが、SACHICOだけですべての被害者に対応できるわけではなく、SACHICO以外にも適切に被害者をケアできるようなところが必要と考えます。そのためには、被害者を支援するための専門的な知識を持つ医療関係の人材の育成が必要と考えますが、危機管理監の御所見をお伺いいたします。

○議長(浅田均君) 危機管理監藤岡巧一君。

◎危機管理監(藤岡巧一君) 性犯罪被害者を支援する人材の育成は、重要であると認識いたしております。先ほど御紹介のありました性暴力救援センター・大阪、通称SACHICOは、医師による心身の治療、医療従事者等による支援、そして警察官による事情聴取などが可能な民間のワンストップ支援センターとして、平成二十二年四月に松原市の阪南中央病院内に開所されたものでございます。二十四時間体制での電話相談や診療を行っておりまして、平成二十二年度では、電話相談一千四百六十三件、来所件数三百八十七件の実績があり、被害者支援に関するさまざまなノウハウを蓄積していると聞いております。
 これらのノウハウを府内の産婦人科医に伝え、被害者が身近な医療機関で安心して治療が受けられるよう、府として、今年度、国の交付金を活用いたしましてこのSACHICOへの委託事業として性犯罪被害者支援のための研修事業を実施いたしました。約百三十名の医療関係者に参加していただきましたこの研修では、大阪産婦人科医会の協力を得て、産婦人科の現場から見た被害者の実態と診療や、電話相談における被害者の視点に立つ支援の方法、あるいは大阪府警による被害の通報や証拠採取、被害者支援に関する各種制度の紹介など、さまざまな観点から被害者への支援に必要とされる専門的知識を盛り込んだ内容で行っていただいたところであります。
 大阪産婦人科医会におきましては、この委託事業の趣旨、目的を御理解いただき、今回の研修を契機に、今後、産婦人科医会自身で行う研修においても、性犯罪被害者支援のための研修を取り入れていただくと聞いております。
 府といたしましては、SACHICOの取り組みはもとより、このような取り組みにより広がっていく産婦人科医の動きを含め、性犯罪被害者支援に関する情報をあらゆる機会や方法により、広く府民に周知してまいります。

○議長(浅田均君) 三浦寿子君。

◆(三浦寿子君) 次に、サービスつき高齢者向け住宅についてお伺いします。
 昨年十月からは、高齢者単身・夫婦世帯が安心して生活できる賃貸住宅であるサービスつき高齢者向け住宅の登録が始まったところです。このサービスつき高齢者向け住宅においては、高齢者にふさわしいバリアフリー構造に加え、安否確認と生活相談のサービスを付加しているのが特徴で、日中の職員常住を義務づけています。また、行政による事業者への指導監督権限も与えられています。事業者は、都道府県に登録すると、建設費や改修費の補助を受けることができ、国土交通省は、昨年度より今後十カ年で約六十万戸の整備を目指すとしています。  新しく制度が始まり、今後多くの事業者がサービスつき高齢者住宅供給に参入してくると思われますが、高齢者やその家族にとって、まずは高齢者の住まいに関するサービスや相談体制などの比較ができやすい情報の提供が必要と考えます。
 行政として、サービスつき高齢者向け住宅についての情報提供を行うとともに、住宅において介護・福祉サービスとのつなぎ機能を初めとする生活関連サービスが適切に提供されているかどうかしっかりとチェックし、指導監督していくことが求められます。このことについてどのようにお考えでしょうか、福祉部長にお伺いします。

○議長(浅田均君) 福祉部長井手之上優君。

◎福祉部長(井手之上優君) サービスつき高齢者向け住宅に関します情報提供と指導監督につきましてお答え申し上げます。
 住みなれた地域で安心して暮らしていくためには、サービスつき高齢者向け住宅に寄せられる期待は、非常に大きいものというふうに認識してるところでございます。高齢者が、みずからのニーズに合った住まいを選択できますように、登録住宅の情報をホームページなどに登載することとともに、身近な地域におきましても情報が提供されますよう、住宅相談窓口や介護、福祉などの総合相談窓口である地域包括支援センター等への情報提供を市町村とも連携しながら積極的に行ってまいりたいというふうに考えております。
 また、事業者に対しまして、定期、随時の立入検査を通じまして、サービスが適切に実施されますよう指導するとともに、行政も含めて苦情相談窓口の案内を住宅内のわかりやすい場所に掲示することを求めるなど、サービスつき高齢者向け住宅が高齢者にとって安心して暮らせる住まいとなりますように取り組んでまいりたいというふうに考えております。

○議長(浅田均君) 三浦寿子君。

◆(三浦寿子君) サービスつき高齢者向け住宅は、高齢者が安心して暮らせる住まいの選択肢として重要な役割を担うものですが、入居者の金銭的負担の視点からは、だれもが入居できるものではないようです。
 事業者団体であるサービスつき高齢者向け住宅協会によると、要介護二程度の人が入居した場合、家賃のほかにサービス料が必要となり、食事を含むすべてのサービスを受けようとすれば、月額十五から二十万円程度の費用が発生すると言います。サービスつき高齢者向け住宅の制度は、提供する側も利用する側も基本的には自分の経済力でやってくださいという仕組みだと指摘する声もあり、このままだと、低所得者の高齢者は到底入居できない状況となります。
 また、東京都杉並区では、既存の高齢者住宅で二十四時間対応の訪問介護や看護サービスが提供されているというケースもあります。この場合、入居対象者は、原則介護保険適用者で収入が少ない高齢者となり、既存の高齢者住宅に比べれば一、二万円は高くなりますが、四、五万円に抑えることができるとのことです。
 さらに、名古屋市では、市営住宅を活用し、一つの部屋を三人でルームシェアすることにより、一人当たりの家賃の負担を減らす仕組みをモデル的に実施されています。単に住宅を建てるだけではなく、これまでの住宅ストックを活用し、介護を受ける高齢者にとってどれだけのサービスが提供できるかが、知恵の絞りどころではないかと思います。
 今後、高齢化が一層進展し、二十五年後には、府民のおよそ三人に一人が六十五歳以上という超高齢化が予測されています。現時点での社会経済情勢は、大変不安定であり、将来の見通しも不透明であることから、低収入であったり、資産を保有していなかったりする高齢者がますますふえてくると思われます。こうした高齢者が安心して暮らし続けるためには、低所得者向けのサービスつき高齢者向け住宅の供給促進や、低家賃で住まいを確保できることが喫緊の課題であると考えますが、住宅まちづくり部長の御見解をお伺いいたします。

○議長(浅田均君) 住宅まちづくり部長佐野裕俊君。

◎住宅まちづくり部長(佐野裕俊君) 低家賃の住まいの確保についてお答えいたします。
 現在、経済的理由から住宅に困窮する世帯、低所得者への住まいの提供につきましては、主に公営住宅が大きな役割を担っているわけでございますが、今後につきましては、民間市場を活用した施策展開が必要と考えてございます。民間市場を活用した中での高齢者を含めました低所得者に対する支援につきましては、住宅バウチャー制度、いわゆる家賃補助が有効であると考えておりまして、国において制度創設に向けました検討が進められますように制度提案を行うこととしております。
 こうした中で、議員御指摘のサービスつきの高齢者向け住宅の役割は大きいと考えておりまして、国におきまして、建設費補助などによります供給促進策が行われてるところではございますが、府としましても、低所得者向けの住宅供給が促進されますように、平成二十四年度から家賃補助を行いたいと考えております。今後、こうした取り組みとともに、福祉施策と連携いたしまして、高齢者が住みなれた地域で安全安心に暮らせます環境の整備に向けまして努めてまいりたいと考えております。

○議長(浅田均君) 三浦寿子君。

◆(三浦寿子君) 先ほど答弁の中で、住宅バウチャー制度、いわゆる家賃補助、この制度が有効であるとお答えがありましたが、この住宅バウチャー制度の創設については、場合によっては法律改正が必要とされるなど、いつ制度ができるか全くわからない状況です。
 その一方で、高齢化の進展は、制度構築を待ってはくれておりません。今、府として何をすべきかを見据えて適切な手だてを行っていただきたく、低所得の高齢者が路頭に迷うことにならないようにしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、吹田操車場跡地の活用についてお伺いします。
 吹田操車場については、昭和五十九年に役割を終えて以来二十有余年が経過しております。その跡地については、平成二十一年、地元の吹田、摂津両市において、緑と水に包まれた健康・教育創生拠点の創出を目指したまちづくり基本計画が策定され、三つのゾーンから成るまちづくりが鋭意進められているところでございます。また、このパネルを見ていただけたらありがたいですが、吹田、摂津両市にまたがるこの広大な跡地は、京阪神に残された貴重な公共空間であり、この東海道本線を起点とする国土軸に位置するという地域性も踏まえつつ、その有効活用を図っていく必要があるものと考えます。
 中でも、JR岸辺駅を挟む形で位置する医療健康及び教育文化創生ゾーンにつきましては、環境に関する先進的な取り組みを通じて持続可能な環境先進都市を築くとともに、周辺の大阪大学や国立循環器病研究センター等国内トップレベルの医療機関、研究機関等が集積する地域特性にかんがみて、これら機関との連携による一大医療クラスターの形成と医療関連産業集積のまちづくりを目指しております。
 折しも、昨年末には、関西三府県三政令市による関西イノベーション国際戦略総合特区が国の特区指定を受け、今後、ライフイノベーション分野等において国際競争力向上のためのイノベーションプラットホームづくりが展開されていくと聞いております。
 吹田操車場跡地については、残念ながらこの総合特区のエリアには含まれていません。しかしながら、地元市において、この地域に医療クラスターの形成、医療関連産業集積を目指したまちづくりを進めていくに当たっては、ライフサイエンスをターゲットに産業振興に努めている大阪府としても、当該地域を総合特区のエリアとするなど、これを積極的に支援、後押ししていくべきではないかと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。

○議長(浅田均君) 知事松井一郎君。

◎知事(松井一郎君) 三浦議員の質問にお答えをいたします。
 吹田操車場跡地については、地元市において医療健康及び教育文化の創生ゾーンを中心としたまちづくりが進められているというのは聞いております。大阪府としても、一昨年、このエリアを企業立地促進法に基づく集積区域に指定し、地元市の取り組みを後押ししているところです。
 お示しの関西イノベーション国際戦略総合特区については、今後その事業の進捗に合わせて対応してまいりたいと考えております。

○議長(浅田均君) 三浦寿子君。

◆(三浦寿子君) 市の東部拠点として位置づけられております吹田操車場跡地は、JR東海道本線の岸辺駅等に近接しており、JR東海道本線による東西方向のアクセスはありますが、南北方向のアクセスはなく、拠点としては不十分です。
 例えば、吹田操車場跡地から南に約二キロメートル離れた井高野駅で終点となっている地下鉄今里筋線をJR岸辺駅付近に延伸すれば、南北方向のアクセス向上が図られ、真に拠点として機能するとともに、JR東海道本線はもとより、JR岸辺駅から南に少し離れたところにある阪急正雀駅を介して阪急京都線とも接続し、新たな鉄道ネットワークが形成されると考えております。また、今里筋線は、一日の利用者数が約五万七千人と地下鉄で最も少なく、採算がとれていないと聞いていますが、北伸することで利用促進が図られるのではないでしょうか。
 ちょっとこれ、見えにくいパネルではございますが、実はその先に点線がありまして、さらに延伸し、モノレールの万博記念公園付近まで延ばせば、エキスポランド跡地やガンバ大阪が建設を予定している新スタジアムへのアクセスに寄与するのではないかと考えます。
 常に知事もおっしゃってるように、広域的な鉄道ネットワークや拠点へのアクセスなどといった観点から、今里筋線の北伸について取り組んでいく必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。

○議長(浅田均君) 知事松井一郎君。

◎知事(松井一郎君) 議員が今お示しのとおり、地下鉄は、大阪都心部を中心とした交通ネットワークだけではなく、大阪府域全域の広域の物流、人、物、お金、そういう人、物を運ぶ大切な都市基盤であると考えております。
 御提示の今里筋線の井高野駅から北側への延伸については、検討すべき課題はあるものの、地元吹田市では基礎調査を実施していると聞いております。
 地下鉄については、これまで大阪市という枠の中で、すべてさまざまな議論がなされ、決定をされてまいりましたが、議員から今お話あったように、大阪全体の交通ネットワークを形成していくということで、これは府市統合本部において、統合本部に民間事業者も入っていただいて、プロジェクトチームを立ち上げたところであります。そのプロジェクトチームの中で、従来の大阪市だけで物を決めるということではなく、大阪府の全体の成長につながる、そういう鉄道ネットワークとしての地下鉄のあり方について検討をしていきたいと思っております。

○議長(浅田均君) 三浦寿子君。

◆(三浦寿子君) 知事におかれましては、東部拠点の後押しと、また地下鉄今里筋線の北伸については、本当にまたお力をおかし願いますよう、よろしくお願い申し上げます。
 最後になりましたが、知事は、府議会議員出身の初の大阪府知事としてお伺いしております。これまで前職のころは、本当に現場の声を聞いて、その声をしっかり議会に反映されてきたと思います。時に首長というものは、独裁と暴走の危険性があると言われております。そのためにも、市民目線と現場感覚を決して忘れることなく、これからも新しい大阪の構築に向け、果敢に臨んでいかれることを御期待申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。