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三浦とし子議会報告
平成24年9月 定例会教育常任委員会
大阪府議会議事録より転載
◆(三浦寿子君) おはようございます。公明党大阪府議会議員団の三浦でございます。
 私のほうからは、四点にわたって質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 初めに、大阪国際児童文学館についてお伺いします。
 大阪国際児童文学館については、これまで府議会においてさまざまな議論の結果、平成二十二年五月に府立中央図書館に移転し、府立中央図書館国際児童文学館としてオープンしました。
 私も、移転後二度ほど中央図書館を訪問させていただき、児童文学館の閲覧スペースや資料が保管されている地下倉庫も視察させていただきました。財団のもと、専門員の方から、時代別やジャンル別の資料の説明、開催されていた事業の説明など伺ったところです。旧児文館でも、私は同じ専門員の方から説明を受けたことがあるのですが、資料の時代的な背景、そして、その時代の文化や作品の変遷など、説明内容にはいつも感銘しておりました。限られた時間内なので、もう少しガイダンスを受けたいと心残りでいつも後にしたところです。
 現在、旧児童文学館のノウハウを引き継ぐため、またこれまでどおり図書館が出版社等から大口の資料の寄贈を受けるため、財団のもと、専門員を二名、図書館の専門員として雇用されております。寄贈については、移転後、一時数が減少したものの、昨年度は約五千六百点余り大口の資料の寄贈があったと伺います
。  現地を視察した限り、資料もわかりやすく、PRブース等もあるものの、旧の児童文学館と比べてやはり手狭だという感がいたしました。児童文学に精通した専門員が事業の企画、実施、寄贈の収受と選書もされているのですが、財団廃止後の三年間、来年の三月でこの専門員の方が終了ということですが、これまでどおり、子どもの読書支援センター並びに児童文学の総合資料センターとしても機能が継続できるのか、また出版社からの大口寄贈は継続できるのか、心配するところです。
 大阪国際児童文学館が中央図書館に移転し、二年余りを経過した現在、中央図書館国際児童文学館が抱える課題と、それらにどう対応しているのかをお伺いします。

◎地域教育振興課長(吉原孝君) 中央図書館国際児童文学館につきましては、府議会の附帯決議を実現いたしますため、平成二十一年度、第十九回の大阪府戦略本部会議におきまして、その決定された方針に基づいて運営を行っているところでございます。
 平成二十二年から二十四年度の三カ年を引き継ぎ期間といたしまして、この間、図書館の司書が専門員から、七十万点を超える資料の財団独自の整理方法や閲覧、提供の方法につきまして、旧施設の方針を受け継いでいるところでございます。
 また、移転を契機といたしまして、府立図書館の子ども資料室を初め関係部門との連携を一層強化し、全分野をカバーする豊富な資料を所蔵する図書館と児文館を一体的に運営することによりまして、利用者の調査研究に一層貢献できているものと認識をいたしております。さらに、市町村立図書館や学校とのネットワークを活用いたしまして、子どもの読書推進のため、地域の人材育成や市町村の図書館職員への支援サービスなど新たな事業を展開したところでございます。
 委員御指摘のありました出版社等からの資料の寄贈につきましては、現在、図書館と財団法人大阪国際児童文学館が連携をし、寄贈を受けておりますが、数が減少したことは、大口の寄贈元でありました出版社からの寄贈が移転を契機に一時的に休止されたことが主な要因であるというふうに認識しております。中央図書館に移転以降、財団とともに私どもも、直接出版社協会の総会の場で寄贈を働きかけいたしましたり、図書館がその協会の児童文学館の視察に対応するなどいたしまして理解を求めてきたところでございまして、現在、その数は復活しつつあります。今後も寄贈の円滑な受け入れのためには、財団の協力が必要であると認識をしております。
 これまで地域教育振興課も参画をいたしまして、図書館と財団は、移転後の円滑な運営のため協議を重ねてまいりました。今後とも適切な協力関係を維持していきたいと思っております。特に寄贈に大きな役割を果たしてきております財団の当該業務処理につきまして、具体的な協力方策を検討してまいりたいと考えております。
 今年度から、諮問機関でございます大阪府立図書館協議会のもと、新たに国際児童文学館の今後のあり方に係る課題と方向性につきまして検討する部会を設けて、御意見をいただいているところでございまして、委員御質問の中央図書館国際児童文学館の課題につきましては、この八月に開催をいたしましたこの部会におきまして、府立図書館の資源と児文館の資源を融合させてどのようによりよいサービスを開発していくかが課題であるとの御意見がございました。具体的には、デジタルライブラリー機能の検討でありますとか、子どもの遊びや学びの分野への資料の活用、広範な専門機関、研究機関との外部ネットワークの強化などの指摘がございました。
 今後、府立図書館と児童文学館が一体となりまして、さまざまな取り組みを行いながら、子どもの読書支援センター、児童文学の総合資料センターの機能の充実に努めてまいりたいと考えております。

◆(三浦寿子君) 専門員の方は、児童文学の研究者であるとともに、旧施設の運営にも携わってこられたことから、国際児童文学館の資料の深い知識と運営ノウハウもしっかり持っておられます。
 児童文学の発展のためにも、今後とも専門員の協力を得るべきと考えますが、どうでしょうか。

◎地域教育振興課長(吉原孝君) 旧児童文学館の運営のノウハウにつきましては、今年度末までの引き継ぎ期間内に図書館の司書が引き継ぎを完了することになっております。
 旧夕陽丘図書館時代から、児童書、児童文学の分野に精通をいたしました司書の育成に取り組んできたところでございまして、一方、現在の専門員二名の方は、それぞれが研究する分野への造詣が深く、資料を活用した企画やイベントなどに高い企画力があるなど、司書と専門員の持つ専門性に違いがあることから、両者が協力することによりまして、相乗効果が発揮できるものと考えております。
 御意見を踏まえまして、引き継ぎ期間終了後の専門員の児童文学館へのかかわり方につきまして検討してまいりたいと存じます。

◆(三浦寿子君) 旧の児文館時代から現在も利用されている方や、読書ボランティア活動をされながら館を応援されている方々はたくさんいらっしゃいます。こうしたリピーターが多いことは、専門的なレファレンスが適切に行われている証拠であり、大変結構なことだと考えます。
 しかし、移転後、確かに入館者数は大きく増加したと聞いておりますが、全国に誇れる児童文学のコレクションを十分に生かしていくためには、もっと資料の利用者のすそ野を広げる取り組みが必要ではないかと考えます。児童文学に関する資料としてはもちろんですが、実は、私は初めてこの児文館の資料を見せていただいたとき、装丁のデザインもすごい感心したことがありました。もっと広い層に関心を持っていただけることができるのに、収蔵庫におさまったままではもったいないなと思ったところでございます。
 そういう意味からも、提案ですが、各市町村の図書館と連携するなど、例えば大阪市立中央図書館にも展示スペースがあります。そこで児文館の企画展を開催するなど、また書庫ツアー事業や講演会も含め、児文館の情報をしっかり発信していただくネットワークづくりも考えてはどうでしょうか。
 先日の図書館協議会の部会の御意見にもあったということですが、専門機関、研究機関等のネットワークの構築は必要だとも考えます。さらに、国際児童文学館の名称があらわすように、児文館は、従前から外国の児童書等も多数蔵書しております。こうした資料を生かしながら、海外の研究機関等への情報発信やネットワーク化などの推進など、もっともっと大きな広がりを目指していくべきではないでしょうか。

◎地域教育振興課長(吉原孝君) 利用者拡大の必要性につきましては、図書館も認識をしているところでございまして、そのため、平成二十二年五月の中央図書館国際児童文学館のオープンを契機といたしまして、学校、幼稚園、保育園、ボランティア団体への子どもの読書推進活動支援員派遣事業を開始するなど、利用者拡大に向けまして、さまざまな取り組みに努めているところでございます。
 また、館の取り組みをより広く詳しく知っていただけますよう、児童文学館の多彩な企画展や講演会、ギャラリートークなどの読者イベント等をホームページ上で紹介するとともに、国立国会図書館国際子ども図書館のホームページ上にも児童文学館資料の所蔵データが公開されており、国内外からアクセスしやすい環境の保持に努めているところでございます。
 さらに、今後は、一般に入手困難な古典作品でありますとか、海外の児童書等の利活用を近畿圏の大学などへ働きかける等、さまざまな新たな取り組みを通じまして、学生等の利用者の開拓を進めてまいりたいと考えております。
 加えまして、委員御指摘のとおり、図書館協議会の部会におきましても、国際的にも評価が高い資料を多く持つことから、日本語以外の言語でも情報を発信し、資料を幅広く利用してもらうことも重要であるとの御意見があったところでございまして、今後、児童文学館資料を海外にどのように情報発信をし、有効に活用していくかについて、その発信方法を検討してまいりたいと存じます。
 今後は、豊富な資料やネットワークを有する府立図書館の特徴を生かしまして、児童文学館の資料を融合させた取り組みの強化や国内外への情報発信を行いまして、利用者のさらなる拡大に努めたいと存じます。

◆(三浦寿子君) ぜひ府立中央図書館のネットワーク力、これを生かしていただいて、さまざまな形で情報発信、また企画展等もぜひやっていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 最後に、要望ですが、議会の附帯決議をしっかりと守っていただき、国際児童文学館の子どもの読書支援センター、児童文化の総合資料センターの機能の拡充のため、また七十万点を超える層の厚い資料を生かしていくためにも、図書館の司書を育てていかれることとあわせて、当面、現専門員の協力は必要だと私は思います。
 また、寄贈本の協力を得ている財団法人大阪国際児童文学館は、国の科学研究費助成金を活用した研究活動のほか、企業協賛等により創作童話・絵本のコンクール、また国際グリム賞の自主事業の実施など、児童文学・文化の発展、国際交流などに長年の実績があります。こうした財団の研究成果等を、しっかり児童文学館にフィードバックしてもらう仕組みづくりも大変必要ではないかと考えます。
 図書館は、児文館の発展のために、財団法人大阪国際児童文学館と今後も盤石なパートナー関係を構築されることを強く要望させていただきます。
 それでは、次の質問に移ります。
 続きまして、不登校・中途退学者対策ということで、まず初めに、適応指導教室について伺います。
 先日、新聞報道で、昨年度の大阪府の高校に在籍する不登校の生徒数は三千二百五十四人で、在籍者数に占める割合は二・八%、前年度比〇・三ポイント増とありました。
 これまで、大阪の府立高校において不登校の出現率が全国の約二倍、また不登校生徒のうち中途退学に至った生徒が三〇・一%あり、まずは高校在籍中での不登校支援は喫緊の課題ということで、昨年、高校における不登校生徒支援を目的とした大阪府高等学校適応指導教室が開設されたところでございますが、適応指導教室のその後の活動内容、現在の運営状況をお聞かせください。

◎高等学校課長(和田良彦君) 大阪府高等学校適応指導教室は、府立高校に在籍している生徒で、登校の意志があり、在籍校での進級、卒業を望んでいるにもかかわらず登校できない、または不登校状態にある生徒を対象に、平成二十三年六月に開設いたしました。
 適応指導教室では、通室してくる生徒に対しまして、指導主事や臨床心理士、学生ボランティアによる学校復帰を目指した支援を行っております。
 指導内容としましては、生徒一人一人の状況に合わせて、在籍校や保護者と相談しながら作成しました支援計画をもとに、在籍校の教材を中心に自主的に取り組むための学習支援をしております。また、個別や小集団での活動を行いながら、自己肯定感とかコミュニケーション能力の向上のための支援も行っております。
 実際の利用状況ですが、平成二十三年度は、定員二十名に対しまして十九名が入室し、十四名が原籍校に復帰しております。また、今年度は八名の生徒が現在入室しております。

◆(三浦寿子君) 在籍校への復帰の状況を伺いましたが、その中で、お聞かせいただける成功事例を御紹介いただけますでしょうか。

◎高等学校課長(和田良彦君) それでは、適応指導教室に通ってました三年生の生徒の事例を紹介させていただきます。
 その生徒は、小学校低学年から家庭以外では話すことができなかったという生徒でございます。高校になりまして、一・二年生の間は何とか登校できてたわけですが、結局友人関係を築くことができずに、不登校になってしまいました。
 適応指導教室に通うようになり、個別対応を行ううちに、一対一の場では徐々に話せるようになり、そのうち他の通室の生徒とも話せるようになったと聞いております。そのことにより、どんどん本人は明るくなっていきまして、そして三学期には、自分のこれまでの思いをみんなの前で語れるようにもなり、在籍校に戻っていきました。その後、大学受験にチャレンジしまして、そして今では、元気に大学に通っているということでございます。
 これは一つの例ですけれども、こうした例のように、適応指導教室では、学習面、心理面の個別支援を行うとともに、少人数の中での人間づくりなど、また学び直しの取り組みをしまして、在籍校へ登校できるよう支援しているところでございます。

◆(三浦寿子君) きめ細かな、また手厚い支援を行っておられるということがよくわかりました。府内には、適応指導教室を必要とする生徒が他にも多くいると思いますが、まずは必要とする生徒、保護者、学校に適応指導教室の情報が届くことが大切ではないかと考えます。そこで、適応指導教室の広報や情報はどのようにされているのか。
 また、通室している生徒の中には、九十分もかけて通っている生徒もいると聞きます。現在の教育センター附属高校内の一カ所だけではなく、またこの指導教室は、在籍校との連携や支援というのが大変重要なことから、府内での適応指導教室のさらなる拡充を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。

◎高等学校課長(和田良彦君) まず、今質問いただきましたこと、周知の関係についてお答えいたします。
 御指摘のとおり、必要とする生徒、保護者もしくは学校に情報が行き届くよう発信、周知していくことは重要だというふうに考えております。  昨年、開設するに当たりまして、すべての高校に通知を発しました。そして、ことしですが、府立高等学校長協会を初めとしまして、教育センターの研修、また生徒指導や教育相談に関係する研究会、そしてまたスクールカウンセラーの連絡協議会、こういったところで機会あるごとに周知しまして、適応指導教室を必要とする生徒さんや保護者の方がおられましたら、案内をしていただくということで依頼しているところでございます。
 また、教育センターのほうからは、毎週、適応指導教室の近況を府立高校あてに適応指導教室情報ということでメール配信させていただいておるところでございます。今後とも関係機関と連携して、さらなる周知に努めていきたいというふうに思っております。
 次に、拡充に関する御質問ですが、今の教育センター附属高校内に設置している適応教室では、遠くから通う生徒については、やはりなかなか難しいという課題があるなというふうに感じております。ただ、それを府内に拡充していくということになりますと、臨床心理士の確保や、また専門知識や技能を持った人材の確保といった問題がありまして、そうした点がちょっと課題だなというふうに考えているところでございます。
 適応指導教室はまだ昨年開設したところでございますので、まずはこうしたセンターの運営状況等を踏まえながら、成果も検証しながら、今後のあり方について研究に努めたいというふうに思っております。

◆(三浦寿子君) ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。
 高校での不登校となっている生徒の多くは、既に小中学校時代から不登校の傾向が見られたと聞いております。東京都では、小中学校の段階で学習面でつまずいた生徒を支援する仕組みとして、エンカレッジスクールという新しいタイプの学校をつくり、成果を上げていると聞きます。五校開設されており、三十分授業で中学の学び直しを実施、そして基礎学力の向上を図り、また二人の担任制で丁寧な指導がされ、一人一人の成長をサポートしております。
 先ほど関連の記事の中で、中退の理由は基礎学力に課題がある生徒や自信が持てない生徒がふえている、これは府教委の分析と記事にはありましたが、学習面でのつまずきがきっかけとなり、中退や不登校につながっていると考えられるのであれば、エンカレッジスクールのような学校は、中退・不登校対策として大変有効ではないかと考えます。
 大阪でもこのような学校を開校すべきと考えますが、いかがでしょうか。

◎高等学校課長(和田良彦君) これまで府立高校におきましては、不登校経験を初めとする多様な生徒の学習ニーズに対応するために、クリエイティブスクールという学校を六校整備してきました。
 このクリエイティブスクールの設立の理念は、ニーズに対応した多様な学び、そして自分の生活スタイルに合わせて学ぶ時間帯を選択ということなどを特色としてきました。クリエイティブスクールが開設されて十年以上が経過しておりますので、これまでの成果と課題を踏まえまして、このようなタイプの学校のあり方については、検証する時期に来ているというふうに考えておるところでございます。
 現在、府立高等学校の将来像検討専門委員会というのを開催しておりまして、この点も含めまして、府立高校のさらなる魅力づくりに向けた具体的な方策について議論していただいているところです。その中で、委員おっしゃっていただきましたように、さまざまな課題を抱える生徒の自立に向けた支援方策や学び直しの機会のあり方についても御意見をいただいてるところでございます。
 具体的に申し上げますと、中退や不登校の生徒の受け皿となる学校は必要であるという御意見や、学び直しの学校のあり方については、他県の先進事例を参考に前向きに検討を進めてもらいたいなどといった御意見もいただいております。
 教育委員会としましては、専門委員会でいただいた御意見や府議会での議論も踏まえまして、他府県の取り組み状況、事例を参考にしながら、生徒一人一人の多様なニーズにこたえる学校のあり方について検討を行っていきたいというふうに思っております。

◆(三浦寿子君) 今、専門委員会でいろんな形での検討ということで伺いました。東京のいろんな資料を見させていただき、生徒一人一人が伸び伸びと本当に元気に通ってるという状況を聞かせていただいて、エンカレッジスクールの本当に意義というか、そういうものを感じたところです。ぜひまた大阪でも、あり方、考えていただきたいと思います。
 私も以前、再チャレンジということで一般質問もしたことがありました。なかなか中退者対策というのは大変大きな課題で、一度中途退学すると、支援が少なくなり、進路選択の可能性が狭まるということで、大変フリーターやニートになるという可能性が高いというふうに、事例が多いというふうに、私も、青少年教育のほうとか商工労働のほうの委員会でも、そういう対策というのは、本当に学校教育の大事さというのを痛切に感じてるところです。
 そういう中で、生徒が一度退学しても、また不登校になっても、再チャレンジできる仕組みをより充実させるべきではないかと考えますが、どうでしょうか。

◎高等学校課長(和田良彦君) 現在、府立高校におきまして、生徒が再チャレンジできる方法として、二つ方法がございます。一つは、一たん退学した生徒が再び高校へ入学する編入学という制度、もう一つは、退学せずに他校へ転校する転入学の制度、この二つを設けております。  具体的には、三月と九月の入学者選抜の時期に、クリエイティブスクールなどにおきまして編入と転入の機会を設けますとともに、二十三年度の二月期からは、これまで府立高校間に限定してました転入学の機会を、私立高校との間にも相互に行うということで拡充しまして、機会の拡大を図っているところでございます。
 さまざまな事情を抱えた生徒が再びチャレンジできる機会の提供につきましては、さきに述べました府立高校の将来像検討委員会でも御意見ございまして、中学校卒業後に一定の年数を経てから高校で学びたい者が潜在的に相当数いることを念頭に制度設計すべきという御意見もいただいておりますので、さらなる充実方策について引き続き検討してまいりたいと思っております。

◆(三浦寿子君) しっかりお願いします。
 続きまして、府立学校の老朽化対策について伺います。
 その前に一つ伺います。
 先般行われました代表質問で、我が党より、大阪府の公立学校の非構造部材の耐震点検実施率が非常に低いと質問をいたしました。それに対しまして、教育長より、府立学校全体の非構造部材の耐震化の状況を今年度を目途に点検するとの答弁をいただいております。
 生徒の安心安全を確保していくには、まず現状の掌握が大変重要であることは言うまでもありません。早急な対応が必要だと思われますが、この点について、現時点での取り組み状況を伺います。

◎施設財務課長(福本芳次君) 府立学校における非構造部材の点検の取り組み状況でございますが、現在、各学校におきまして、天井材の破損、照明器具の変形や腐食、窓ガラスのひび割れといった異常が見当たらないか、文部科学省で示されている十項目のチェックリストをもとに、点検調査の実施に向け準備を進めているところでございまして、今年度内に点検結果をまとめたい、そのように考えております。

◆(三浦寿子君) 次に、府立高校の老朽化対策ですが、公立学校施設の老朽化は、大阪だけではなく、全国的な課題となっております。
 建物は、築二十年を超えるころから老朽化が進行するようになり、外壁や窓枠の落下、天井の雨漏り、配管の破損などのふぐあいが生じ始めるそうです。老朽化が原因で発生した学校施設の安全面のふぐあいは、二〇一一年度だけで約一万四千件、雨漏りなどの機能面のふぐあいも約三万件に上っていると言われております。老朽化ではがれ落ちた外壁で児童がけがをしたり、校舎二階の手すりが壊れ生徒が転落するという被害報告もあり、老朽化した学校施設の危険性が大変高まっているという新聞報道もございました。
 そのため、文部科学省においては、現在、公立学校施設の老朽化対策についての検討が行われ、先ほど学校施設老朽化対策ビジョン−−仮称ではございますが、中間取りまとめが出されたところです。その中で、平成二十二年度における全国の公立小中学校における築二十五年以上の建物は全体の約七割、また老朽化が深刻とされる築三十年以上の建物は五三・五%となっております。
 そこで、府立学校の施設の状況、とりわけ老朽化が深刻とされている築三十年以上の建物はどの程度あるのでしょうか。

◎施設財務課長(福本芳次君) 府立学校の状況でございますが、現在、府立学校全体のうち、築年数が三十年を超えている学校が約七〇%ございまして、これらの学校の多くは、生徒の急増期である昭和四十年代後半から五十年代前半にかけて建設されたものでございます。なお、そのうち九校につきましては、築年数が五十年を超えている状況にございます。

◆(三浦寿子君) 築年数が三十年を超える校舎が約七〇%、さらに築年数が五十年超えの学校が九校あるとのことで、驚きとともに、やはりそうかという思いもいたしました。
 実は、私は、地元にあります府立高校、私と公明党の地方議員団で、避難所に指定されている学校のいわゆる耐震とか設備状況とか調査したことがありまして、府立高校、母校も行ったんですけれども、残念ながら、築四十五年はたってると思うんですけれども、いわゆる耐震化は進んでるんですけど、渡り廊下のいわゆるつなぎ部分の鉄骨が見えて、そこが腐食してたり、専門家の方に行ってもらったら、耐震化よりここのほうが危ないん違うかと指摘されたところです。
 さらに、他の学校では、放送設備等が老朽化しておりまして、受験中に放送設備がとまってしまってヒアリングができなかったという、そういう状況もあったと伺っております。そういう中で、学校の老朽化というのは本当に深刻な状況だなということを感じたところなんです。学習し、快適な学校生活を送る環境には本当にほど遠い状況で、老朽化は深刻な課題ではないかと思います。
 このような状況を見ますと、ふだん学校において日常的な点検がどのように行われているのか、また施設や設備の修繕が計画的にきちんと行われているのか非常に気になりますが、府立学校における維持管理の現状について伺います。

◎施設財務課長(福本芳次君) 府立学校におけます施設の維持管理の状況でございますが、まず日常的な点検につきましては、建築基準法に基づく建築物の定期調査を初め、消防設備点検、昇降機の保守点検、自家用発電機器の工作物保安管理などの法定点検を毎年実施をいたしております。
 また、施設や設備の修繕につきましては、毎年各学校から施設設備に関するヒアリングを実施いたしております。その中で、各学校からは、不都合が生じている施設設備の修繕等につきまして数多くの要望をいただいており、管理運営に支障を生じている緊急度の高いものから順次対応するなど、施設設備の維持管理に努めているところでございます。

◆(三浦寿子君) 今、維持管理の状況について伺いました。府立学校の老朽化が進んでいる以上、老朽化対策に向けた取り組みが本当に必要であるなとまた感じたところでございます。しかし、現在の財政状況を考えてみたら、古くなりました、はい、建てかえますというわけにもいきませんし、いっぱい学校からの要望は上がってると思いますが、本当に財政状況が厳しい中、大変その対応というのは苦慮されていると思います。  しかし、これまでのように、ふぐあいが生じた都度修繕を行うのではなく、いわゆる事後保全型から計画的に施設や設備の修繕を行う予防保全型への対策へと点検を図っていくことが大変重要ではないかと考えます。例えば、改築に着手するまでの間、施設の外壁や屋上防水といった従来の取り組みに加え、給排水管や室内の天井といった設備を改修して、できる限り建物を長く使うといった長寿命化の視点、観点は欠かせないと思います。
 建物の長寿命化を図れば、将来の財政負担を軽減させることにもつながるわけですから、この点についてしっかりと考えていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

◎施設財務課長(福本芳次君) 全国的に学校施設の老朽化が大きな問題となっておりまして、委員お示しのとおり、文部科学省においても、老朽化対策についてどう進めていくべきか、現在検討が行われているところでございます。
 その中におきましても、施設の長寿命化という点について着目をされ、改築よりも長寿命化を図ることによりまして全体の経費を抑制できることから、委員お示しのとおり、計画的に施設設備の点検、修繕を行い、ふぐあいを未然に防止するという予防保全型への対策へと転換を図る必要があるという考え方が示されているところでございます。
 本府におきましても同様に、長寿命化によりトータルコストの低減化を図りつつ、計画的に進める必要があると考えており、今後は、これまでの外部改修に加えまして、設備などの内部改修を行い、施設の長寿命化による学校施設の老朽化対策の検討をしてまいりたいと考えております。

◆(三浦寿子君) 当面は施設の長寿命化による老朽化対策の検討を進めると答弁されていましたが、高校は施設の規模が大きく、また支援学校は、性格上、施設の仕様は複雑なものであり、改修、改築のいずれも多くの費用が必要となります。
 そういう厳しい、難しい状況からのスタートになるわけですが、老朽化対策を進めるに当たって、まずどのような取り組みから始められるのでしょうか。

◎施設財務課長(福本芳次君) 一般的には、長寿命化による老朽対策を計画的かつ効率的に進めていくに当たりましては、まず施設や設備がどの程度老朽化しているかを的確に把握をし、それらを総合的に勘案する必要があるものと考えております。
 現在、建築物の定期調査において、設備面での老朽度は一定把握しているものの、建物躯体の老朽度については検証ができていないといった状況にございますことから、まず建物躯体の調査等を早期に実施する必要があると考えております。

◆(三浦寿子君) 老朽化対策について、まずは建物躯体の調査等を早期に実施してまいりたいとのことですが、府立学校の老朽化対策を進めていくに当たりまして、学校という性格上、留意しておかなければいけない点が幾つかあると考えます。
 まず、多くの学校が非常災害時における応急避難場所として指定されているという点です。これらの学校については、非常災害時にその機能をしっかりと発揮できるよう配慮がなされる必要があると考えます。
 また、バリアフリーについても、災害時のみならず、日常において児童生徒が安心して学校生活を送っていくため、取り組みが必要です。
 次に、学校は規模が大きい分、当然消費するエネルギーも相当なものです。光熱費を節約するという観点のみならず、教育の一環となる省エネの取り組みも通じて教育の質的向上につなげていくといった観点も必要であると思います。
 そして、最後に忘れてはならないのが、これからの少子化を見込んでの取り組みが必要であるという点です。現在、少子化が見込まれる中、公私間の志願動向の変化なども踏まえた府立高校の再編についての議論もなされているところです。今後、老朽化対策を進めていくに当たっては、府立高校の再編もしっかりと考慮に入れて、緻密に取り組んでいく必要があると思います。
 以上、老朽化対策を進めるに当たって留意が必要と考える事項について見解を述べましたが、これらについてはどのようにお考えでしょうか。

◎施設財務課長(福本芳次君) 学校施設は、生徒たちにとりまして、一日の大半を過ごす学習、生活の場であるとともに、地震などの非常災害時には、緊急避難場所として利用される地域の防災拠点として大変重要な役割を担っております。
 このため、学校施設としては、機能的な環境を整えるとともに、豊かな人間性をはぐくむにふさわしい利便性、快適性に加え、十分な防災・防犯機能を備えた安全安心なものでなければなりません。
 このことから、学校施設の老朽化対策を進めるに当たりましては、老朽化した施設について、単に建てかえるのではなく、安全安心な施設環境の確保やバリアフリー化、省エネルギー型の施設設備といった時代のニーズに合った施設への転換を図る必要があると考えております。
 また、その際には、委員お示しのとおり、今後の生徒数の減少と志願動向の変動を勘案した府立高等学校の再編整備計画との整合性をしっかりと図りながら進めてまいります。

◆(三浦寿子君) 老朽化対策も大変予算が要ることでして、耐震化等もすべて大阪府単費で行っておられると聞いて、本当に大変やなと改めて思ったんですが、しかしながら学校での子どもたちの安全安心ということを考えれば、早急な老朽化対策に取り組んでいただきたいと思いますし、これから国へもしっかり予算の要望もしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは、最後でございます。教育振興基本計画についてお伺いします。
 教育振興基本計画策定に当たっては、大阪の教育における課題、これをどのようにとらえ、その課題をどのように位置づけているのか、まず伺います。また、その中で就学前教育についてはどのような位置づけになっているのでしょうか。

◎教育総務企画課長(見浪陽一君) 教育振興基本計画の中間まとめにおきましては、グローバル化を初めとする社会経済状況の変化や、公私立高校の授業料無償化などの大阪の教育をめぐる動きを踏まえまして、自立して力強く生きる人づくりなど三つの目指す目標像、それから社会総がかりでの大阪の教育力の向上を初めとする三つの教育振興の目標を掲げたところでございます。
 また、この目標を実現するため、この間の教育施策の取り組みにおける成果、検証により明らかになった課題等を踏まえまして、公私の切磋琢磨による高校の教育力の向上、学力向上を初めとする小中学校の教育力の充実、障がいのある子どもの自立支援など、十の取り組み項目を今後の大阪の教育が取り組むべき方向として位置づけたところでございます。
 なお、委員お示しの就学前教育につきましては、家庭教育を取り巻く環境が大きく変化する中で、家庭教育への支援や就学前教育の充実が必要であるということから、地域の教育コミュニティづくりと家庭教育の支援の項目の中で位置づけさせていただいているところでございます。

◆(三浦寿子君) 就学前教育の充実についても教育振興基本計画に位置づけるとのことですが、私は、以前から、いわゆる生きる力の基礎をつくる就学前の幼児教育の果たす役割は大変大きいと考えているところでございます。
 実は、平成十七年一月に示された中央教育審議会におきまして、子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育のあり方、これは答申ですが、それによれば、幼児期は、心情、意欲、態度、基本的生活習慣など、生涯にわたる人間形成の基礎が培われる極めて重要な時期であり、幼児は、生活や遊びといった直接的、具体的な体験を通して、情緒的・知的な発達、あるいは社会性を涵養し、人間として、社会の一員としてよりよく生きるための基礎を獲得していく時期であるとしております。
 そして、幼児期は、知的、感情的な面でも、また人間関係の面でも日々急速に成長する時期でもあるため、この時期に経験しておかなければならないことを十分に行わせることは、将来、人間として充実した生活を送る上で不可欠である。したがって、我々大人は、幼児期における教育が、その後の人間としての生き方を大きく左右する重要なものであることを認識し、子どもの育ちについて常に関心を払うことが必要であると、この幼児教育の重要性について示されているところでございます。
 私は、そういう意味では、この教育振興基本計画の中で、府としても幼児教育の位置づけをちゃんと明確に、さらに充実していただきたいなというふうに思っているところです。
 確かに幼児教育というのは、就学前教育というのは、保育所の件とか、また幼稚園、私学幼稚園と、市町村に関する課題が多い、取り組みが市町村でなされていて、府がなかなか関与できないとこもあるかわかりませんが、今言われているいわゆる小一プロブレム、入学前に授業が成立しにくい状況が問題になっていて、小学校生活になったら、いわゆる落ちつきがないとか、なかなか集団の中で対応できない子どもたちということで、いわゆる就学前のときと、そして就学後の連携、幼小の連携というのが大変重要だと指摘されているところでございます。そういう意味でも、しっかり大阪府が今後もかかわっていくことは大変重要ではないかと思います。
 府としての市町村の幼児教育、これをどのように支援していくのか、またこれまでの府の取り組みもあわせてお伺いします。

◎小中学校課長(吉美学君) これまでの支援の取り組みをお答えさせていただきます。
 府教育委員会といたしましては、平成二十二年二月に幼児教育推進指針を改定し、幼稚園、保育所等の教育機能の充実や、家庭、地域における教育力の向上など、市町村に対して幼児教育の方向性を示すとともに、府全体の今日的な課題、委員お示しの幼小連携であるとか、あるいは小学校入学期の子どもの状況であるとか、このようなものに対しまして研修を行い、教員や保育士の資質向上に努めているところでございます。
 このたび教育振興基本計画におきまして、重点的取り組みの一つとして人格形成の基礎を担う就学前教育の充実を掲げ、より一層関係部局と連携し、幼稚園や保育所のすぐれた実践事例を普及するなど、幼児教育の充実を図ってまいりたいと思っております。

◆(三浦寿子君) 中間まとめですので、これから議論がされて、しっかりその計画が策定されるということですので、その位置づけを明確にしていただければありがたいと思います。
 教育振興基本計画の策定に向けた中間まとめでは、教育振興の目標の一つに、社会総がかりでの大阪の教育力の向上というのが掲げられております。今の子どもたちを取り巻く環境というのは、核家族化や少子化となる中で、いわゆる家族の中、地域の中で、三世代とか、また地域での年の差のある子どもたちの交流とか、そういう多様な人間関係を体験することができない。しかし、発達段階や自身の体験とは無関係に大量の情報があふれており、子どもたちの発達に大変影響を及ぼすなど、またサポートする周りの人、そういう人たちに接する機会もないままに学校に通うことになり、そのままコミュニケーション能力や感情を読み取る能力が乏しくなる、こういうことを語っておられる識者の方もいらっしゃいます。
 そういう意味では、大阪の教育力、子どもたちのそういう一人一人の教育、それを育てる、そのためにも、大阪の教育力をさらに向上させるためには、教育にかかわる者が互いに一層連携していくことが求められるのではないかと思います。
 中間の取りまとめでは、幼児教育やキャリア教育、就労支援、公私合わせた高校教育の充実など、教育委員会だけでは対応できない幅広い分野も含んでおりまして、知事部局はもとより、市町村、私立学校、さらには地域や保護者の方々の連携、協力を図りながら取り組みを進めていく必要がありますが、今後この基本計画を実効性のあるものにするために、どのように関係機関や関係者と取り組んでいかれるのでしょうか、お伺いします。

◎教育総務企画課長(見浪陽一君) さまざまな方面との連携、協力についてでございます。
 来年二月の計画の成案に向けまして、庁内では、庁内関係部局が入りました連絡調整会議を開催いたしておりまして、具体的な取り組みについて、その中で検討を行ってまいりたいというふうに考えております。
 また、十一月上旬に第四回の検討委員会を開催することとしておりまして、市町村、それから私学の関係者のほか、保護者の代表の方々もお招きして、御意見を伺いたいというふうに考えております。
 また、計画の推進に向けまして、進捗状況を対外的に公表することなど、その推進方策につきましてもこの二月の計画のまとめまでに検討いたしまして、関係者の協力を得ながら、計画が推進できるよう引き続き検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

◆(三浦寿子君) ぜひよろしくお願いします。
 先ほどもありましたように、家庭でのいわゆる教育力、そして地域のいわゆる教育力というのが大変弱まっているということもありましたように、そこら辺もどう力を上げていくかということも本当に大きな課題ではないかと思います。本当に一層各種機関との連携、進めていただきまして、基本計画がよりよいものになるように努力していただきたいと思います。
 それでは、以上で質問を終了させていただきます。ありがとうございました。

○委員長(林啓二君) 三浦委員に確認いたしますが、知事質問の通告はなしということでよろしいでしょうか。

◆(三浦寿子君) いや、ごめんなさい。児童文学館の関係と教育振興基本計画の策定について、この二点について、再度知事にお伺いしたいと思います。

○委員長(林啓二君) わかりました。それでは、ただいまの質問項目につきましては、委員長預かりとさせていただきます。